内容説明
美衣子は、理髪店を一人で切り盛りしてきたしっかり者の母親と、はずみで家に入れてしまった内縁の夫、青野と三人で暮らしている。ある日、青野の甲斐性のなさに愛想をつかして別れ話を切り出すが、男はなかなか出て行こうとしない…。男運にめぐまれない女たちの、ひそやかな心の動きを、乾いた筆致で描く長篇小説。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
北海道・札幌市生まれ。藤女子短期大学国文科卒業。学生時代より詩や小説を書き、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。デビュー作「マドンナのごとく」で、昭和62年、第21回北海道新聞文学賞を受賞、同時に直木賞候補となる。平成元年「熟れてゆく夏」で、第100回直木賞受賞。以降、従来にない自由な視点から現代女性の心理をとらえた精緻な恋愛小説を書きつづけている。主な小説に「ソング・オブ・サンデー」(第8回島清恋愛文学賞受賞)「秋の猫」(第16回柴田錬三郎賞受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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