内容説明
女、三十代。つきあっている男はいても、独りの気ままさが好きだった。けれども突然、男から別れを告げられ、自らの心の弱さに直面する。驚き、怒り、喪失感、そして…。恋と孤独を愛する女たちの“別れのあと”にゆれる心を、繊細な筆致で描く三篇。表題作のほか「雨の夜にホテルへ」「男のいない男の部屋で」を収録。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
北海道・札幌市生まれ。藤女子短期大学国文科卒業。学生時代より詩や小説を書き、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。デビュー作「マドンナのごとく」で、昭和62年、第21回北海道新聞文学賞を受賞、同時に直木賞候補となる。平成元年「熟れてゆく夏」で、第100回直木賞受賞。以降、従来にない自由な視点から現代女性の心理をとらえた精緻な恋愛小説を書きつづけている。主な小説に「ソング・オブ・サンデー」(第8回島清恋愛文学賞受賞)「アカシア香る」「人形を捨てる」「秋の猫」(第16回柴田錬三郎賞受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かこりむ
15
タイトルに魅かれて。図書館本。「男のいない男の部屋で」が一番良かったけど、以前に読んだ同作者の長編に似すぎていたのが気になった。後の2編は、うーーん、主人公達と私の違いを感じた。人を好きになるのって理屈じゃないから、どうしようもないんだけど。愛のないお話でした。2017/02/13
チェス
5
うーん、何ともなあ、個人的には現実味がないから興味深かったかなぁ。 図書館本。2019/03/27
レイコ
2
じょうずなタイトルに惹かれたけど、藤堂氏の伝えたいことが見えるようで見えなくて、かと言って、読者が自らなにかを感じとるほどの内容もない。だれかも言っているとおり、作者の実体験をただ述べたようにも感じる。もしくは、作者の求める何かをむりやり形にしたような。読みづらいわけでもないけれど、つまりは、ん?という感想です。2014/11/12
なお太郎
2
短編集。タイトルの作品は歪んだ思考で自分を捨てた男に復讐する女。この作者に登場する女性は結構したたかな女が多いが、この作品の主人公は後悔をしている。珍しい展開。2009/03/08
みにうさぎ
1
表題のはよかった。小説っぽかった。 最初のは酒乱でSM好きな女が出てくるんだけど微妙。二作目は、なんとも言い難い。アラサーの女子は結婚が最後の砦みたいなところはあるけど。全編通して、男がみんな魅力的じゃなくてウケる。この作者をリピしたいと思わないかな。2018/01/11