内容説明
娘に去られ、男のつまみ食いを繰り返す初美。実家を飛びだし、兄と距離をとる柄美子。マイ・ホーム購入のため、夜のバイトに明け暮れる日菜子。そして、四十歳を目前に憧れの男性からプロポーズされて戸惑う伊沙路。「ひとり」でいることを選びとる四人の女性の心模様が、リアルに繊細に描かれる中篇集。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
北海道・札幌市生まれ。藤女子短期大学国文科卒業。学生時代より詩や小説を書き、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。デビュー作「マドンナのごとく」で、昭和62年、第21回北海道新聞文学賞を受賞、同時に直木賞候補となる。平成元年「熟れてゆく夏」で、第100回直木賞受賞。主な作品に「ソング・オブ・サンデー」(第8回島清恋愛文学賞受賞)等がある
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
23
それぞれ一人暮らしをする女性が主人公の4つの物語。男はつまみ食いに限るとする中年の初美。男を性欲でしか欲しない柄美子。育ての親に家を買ってやりたくて客から金を借り、スナックをくびになる日菜子。40才目前で未婚の伊沙路。どの女の一人暮らしもどこか哀しい。1999/10/03
はちこ
2
ひとりで生きる、ひとりで暮らす、女性の恋愛観や家族について書かれているオムニバス。 とても面白かったです。『性欲』が好きでした。近寄りたい、だけど遠ざかりたい微妙な独身女性の心境が丁寧につづられていると思いました。2014/10/18
うにっこ
2
どの話も結構感情移入して読み終えました。藤堂さんの他の作品も興味あり!2014/07/03
紅
0
古い時代(私的な飲みの約束の為に会社に電話してくるなんて!)の話のはずなのに今でも共感できるシーンがたくさん。私もひとりぐらし、女一人で生きてく覚悟を決めつつあるのでひとりじゃないんだ…と勇気をもらえた。幸せの形は人それぞれ。相手に押し付けるものじゃない。2017/08/19
sumi
0
友人の勧めで読む。ひとりぐらしをしている女性の4人それぞれの短編物語。どれもすっきりおしまい!というものではないが、唯一20代の女性の話だけが感動を与えてハッピーエンドというところか。この話が一番好き。若い時はいろんな失敗もするし、思いこむこともある。失敗しても立ち直れるのは多分に育った環境、周りの人々のおかげであると思えた。2017/03/24
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