出版社内容情報
求め、恋し、そして別離……。自分の信じる愛に生きる男と女、性と愛のエゴイズムの行く末を冷静、甘美に見つめる最高傑作短編集
内容説明
「聖女のようなあなたが、本当にたくさんの死体を抱きこんでいるの?」。そう伝説の湖に囁く“私”。初夏の土曜日。年下の愛人の車でむかう郊外の町には別れた夫が住んでいた…。背徳の恋に生きる女と男が発する苦渋と輝きを描く表題作をはじめ、全てに自立する女性の愛と性の奥底を見つめる甘美な作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
貧家ピー
3
表題作含め、8編。 仕事で自立している女性たちが、いともたやすく不倫に走るのだろうか、という疑問が沸いてしまった。2004/09/23
Taito Alkara
3
冷静な女性に、恐怖を覚える瞬間がある。頭の良い女性が主人公だからかな? 何を考えているかわからない一瞬がそうさせるようだ。2017/12/16
chinayo
3
短編集。働いて稼ぎのある自立した女性が不倫をしてしまう話があったり、男女の大人の恋愛話だったり。書き方が上手いので読みやすい。2016/11/17
らびお
2
恋愛短編集。自分が一番大切なことにたいしては迷いながらも揺るがない女性たち。2020/11/22
カモミールフレイバーの星
1
表題の「聖なる湖」他、7編からなる短編恋愛小説でどのお話も主人公の女性はある程度の年齢も恋愛も重ね、自立しているのですが、中でもわたしが好きだったのは「琥珀」というお話。主人公である沢子は、幼い頃から父の会社の部下である22歳年上の人に憧れ、大人になって再開し不倫を始める…が、相手が病気により他界し今度は、彼の息子と関係を持つのですが、彼女は「不倫」と言いつつも本気で彼の<声>を愛していて、その<声>がそっくりな為に息子を彼の代わりにしてしまうくらい思っているという気持ちがなんだか切なくて好きでした。