出版社内容情報
静かにサティが流れる部屋の中の二人……。風のようにふっと消えてしまいそうな、優しい内向世代の恋愛小説。野間文芸新人賞受賞
内容説明
生きるとは、自分なりの零を描くこと。どうせ同じ零なら、がむしゃらに加算させるより、静かに零を富ませ、いとおしみたい。エリック・サティのように―。徹底して醒めながら、醒めることでより深く結びつく、新しい恋愛の形を提出した、野間文芸新人賞受賞作。表題作と対の関係にある姉妹編『苺』を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
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【1987_芥川賞_候補】【1987_野間文芸新人賞】1994年11月29日読了。今では、作家としての新井氏よりも、『千の風になって』の訳詞&作曲家の新井氏の方が有名か。(2020年4月9日入力)1994/11/29
gua5113
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30数年ぶりに読み直してみたが、言葉の輝きと文体の新鮮さは、少しも色褪せてはいない。 装画に使われたラウル・デュフィの「開かれた窓の静物」を、先月、東京・京橋のアーチゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)で観てきたばかりで、その直後に新井満の訃報に接した。 冥福を祈る。2021/12/11