出版社内容情報
みんな誰かを妬んでる!ロス疑惑から積木くずしまで、世間を騒がせた事件を精神分析学者が読み解き、人の心に潜む病理を明かす
内容説明
みんな誰かを妬んでる。男と女の間のヤキモチから、写真週刊誌の覗き趣味、子供たちのイジメ、果ては世間を騒がせたロス疑惑や戸塚ヨットスクール事件まで、実はみんな人間の心に潜む嫉妬という病理が引き起こしている。「ものぐさ精神分析」の著者が時代を取り巻く雰囲気と人間の心の病理を明かす話題作。
目次
第1章 三浦和義事件とは何だったのか
第2章 戸塚ヨットスクールと戦後教育
第3章 豊田商事にみる資本主義的構造
第4章 『積木くずし』が物語る親子関係
第5章 なぜ鹿川君はいじめられたのか
第6章 写真週刊誌が拠って立つモラル
第7章 嫉妬とは何か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
7
岸田の比類なき人格の下劣さは、人の弱さを全く認めないところに起因している。それは己の弱さ・ヘタレっぷりを直視できず逃げ続けているという心理機制を示している。かつては太宰治をこの上なき口汚さで罵り、今度はいじめ自殺した中学生鹿川君に対して「被害者側にも責任がある」「卑屈なところがある」という言葉を投げつけたことでハッキリした。『積木くずし』の著者穂積隆信に対して「彼はこのようなものの考え方をする人のようです」とやんわり皮肉るその言いぶりは、目クソ鼻クソという諺にかこつけてさんざっぱらクソ呼ばわりして愚弄する2024/09/11
miroku
3
自分の思考回路が明晰になり善と悪の二元論がこの時代、この場所のものであることを認識できた。2016/05/14
Gen Kato
2
「どんなことに関しても言えることですが、明快な処方せんを欲しがるのは、それ以上、ものを考えたくない思考怠慢、一種の奴隷根性です」「学校教育が生徒の能力を引き出し、伸ばすというのは大きな嘘です」「自我は自我そのもののなかに根拠をもっていません。自我は他者たちに支えられる必要があります」等々、胸に刺さる名言多数。折に触れて読み返したくなる一冊。2013/11/25
あ
1
読めば読むほど不快になる。俺らは面倒くさいことを考えて生きているのだなと。あいつらはやはり狡かったが俺も狡いのかと。嫌だな。本当に生きるのがやんなっちゃった。救いがない、誤魔化してたほうが楽だったし、そんなこと言わないでくれたらよかったのに。余計なお世話だってなとこ、でもその通りでやんなっちゃう、2017/06/07
v&b
1
入りやすい好著(または名著)。2014/08/02