出版社内容情報
男と女のこと、家族のこと、ひいては国家まで、「すべては幻」と喝破する"ものぐさ精神分析学者"が自分や社会を語るエッセイ集!
内容説明
「世の中、大低のことは『どっちでもいいや』で済ませられる!」と断じる過激無節操主義のものぐさ先生が連発する痛快な“天下の暴論”の数々。スポーツは体に悪い、夫は妻より頭がいい、「真の自己」なんて存在しないなどなど。「ものぐさ精神分析」の著者が40代に考えた社会、文化、そして自分のこと。
目次
小児的性格者の適職
「保安処分」の愚かさ
無意識はどこにあるか
スポーツ・ブームについて
sheが“彼女”のぎこちなさ
なぜ馬鹿な評論家がいるか
小物語の時代
ほとんど絶望的です
「シゴキ」の構造
過ぎたるは及ばざるが如し
もしも富士がなかったら
夫は妻より頭がいい
物語としての生と死
「お葬式」について
老化指数〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほりん
28
何気なく手にした一冊だったが、価値観を大きく揺さぶられた。「人間は個体保存や種族保存にとって不必要なことをいっぱいやる動物である。」「その本能がこわれ、自然の世界から切り離されてしまった」ので、人工的世界(=文化あるいは社会)を作り、そこに適応する自我を作り上げた。ゆえにその自我はこわれやすく、不安定だ。つまり自我は人間関係のなかの共同幻想にすぎない。…そのほか、道徳について、日本人のアジア観についてなど、非常に考えさせられた。積読の「ものぐさ精神分析」も読んでみたい。2022/10/06
Ribes triste
5
40代の岸田さんの著述集(エッセイと言ってもいいくらい軽い)。10代の頃に読んだ「ものぐさ精神分析」ほどの面白さも衝撃もないが、懐かしさもあり手に取る。年を経て読んで思うのは、同意するところもあれば、首を傾げるところもあり。この20年の日本人の概念や意識が大幅に変化したからのように思う。2016/02/12
まじょるか
0
戸塚ヨットスクールについて。我が国伝統の教育法。旧日本軍の初年兵も。「教育とはある一定のパターンに人間を強制的にはめこむこと。手を汚さずにはできない一種の必要悪である。」とのこと。自分が絶対的に正しいと思っていないと他人を叱れない。絶対に正しい人なんているんでしょうか?2014/02/21
のんき
0
1993.5.8第一刷 解説:大鶴義丹
フランチャイズ人格
0
自分も常日頃脳内に雑念雑想が入り乱れていて、筆者と似たタイプの人間であると思われる。しかし、こうした感想も筆者が指摘する通り、自分が自分の都合のいいようにしか本を読んでいない証拠なのかもしれない。理解しようとせず、適当に読むくらいが丁度いい。2019/05/03