出版社内容情報
妻の悪口を日記に書く、怒って子供をステッキで打つ、英語嫌い…文豪の次男が厳しい眼で父の真実の姿を描きつくした興味深い随筆
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
parc11
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ちょっと文章にいらついたというか、個人的に合わなかったように思う。ただ、資料的価値は多大な本。漱石のお弟子連に少々手厳しいのが、何とも痛快。というのは、崇拝の余りか、風説を流布されてしまうこともあったようで(「漱石の母とその里」「母のこと」等を参照)、父・漱石に取り巻く人々(それぞれ名立たる人達だが)を、著者は非常に冷静に見ていたものと思う。第三者の主観や思い込みが、一人歩きして通説化・一般化してしまったら、身内として放置できないのはそりゃあ当然ですよね。2016/09/03
Gen Kato
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無意味な暴力を受けた息子として、父親を許せないし受け入れられない部分と、いわゆる「文豪」漱石を客観的に分析する筆の的確さと… すぐれた評伝だと思います。そして「悪妻」視されている鏡子夫人を、息子としてほぼ完璧に援護し得たのではないでしょうか。2014/05/03