内容説明
晴明と博雅は俵藤太とともに、平将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。事件の裏に見え隠れする将門との浅からぬ因縁。誰が、将門を復活させようとしているのか?そして、その背後に蠢く邪悪な男の正体とは?ラストまで息をつかせぬ展開と壮大なスケールで読ませる人気シリーズ長篇。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。圧倒的な人気を博する「陰陽師」「魔獣狩り」「餓狼伝」の各シリーズをはじめ、山岳、冒険、ミステリー、幻想小説などの分野で広範な読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
198
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第十巻 シリーズ最長編の後半です。上下巻842頁、完読しました。本作は、平将門フランケンシュタイン悲哀物語でした。たまには、超長編も、いとをかし!続いて第十一巻 絵物語「陰陽師 首」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/05/18
眠る山猫屋
60
再読。道満さまのなんと豪放磊落破天荒たることか(笑)引っ掻き廻して高見の見物、最後は将門とも一戦交える飄々っぷり。そして俵藤太と将門の、好敵手としての再会に胸は熱くなるばかり。晴明のみならず、保憲や浄蔵さままで参戦したら興世王には勝ち目はなかったね。でも物語のクライマックスは、興世王の呪に対して博雅が言い返す言葉。冒頭に晴明が語りかけた言葉が、ここに帰結をもたらす全て。良い物語でした。2019/09/05
tengen
47
シリーズ第8弾後編。 蘇った将門、そして襲われる平将門の乱の生き残り、源経基、平貞盛、浄蔵、小野好古、俵藤太ら。 新たなる承平天慶の乱が巻き起こるのか? 将門に迫る加茂保憲、晴明と博雅、平貞盛の息子維時。 そしてそれに立ちふさがる興世王、その正体はかつての承平天慶の乱における西の雄、藤原純友であった。 ☆彡 瀧夜叉姫が暴れまくるわけでは無いんですね。タイトルに振り回された。そして読み終わるのに時間が掛かってしまった。しばらく陰陽師シリーズから離れよう。2018/02/17
Richard Thornburg
42
感想:★★★★★ 今までに読んだこのシリーズの中では最高に緊張感のある長編でした。 平将門&滝夜叉姫というだけで怨念なり妖術なりが連想されるヤバい響きを持ったキーワードなのですが、興世王=藤原純友で妖術使いと言う設定が最高に面白かったのではないでしょうか。 登場する人物は出自の信憑性が問われる人物も含め、滝夜叉姫を除いて実在されたとされる人物ばかり。 俵藤太(藤原秀郷)は狡猾でカッコいい! ラストへ向かっていく緊張感は何とも言えない恐ろしさと切なさがありました。2014/10/24
ちえ
34
後半、20年をあけてのよみがえり、妖術。久しぶりの陰陽師、面白かったー。実は4月の歌舞伎座「新・陰陽師」観劇の予習。出演者のポスターも見ながら。楽しみ。2023/03/21