出版社内容情報
死霊、生霊、鬼などが人々の身近で跋扈した平安時代、妖しのものを相手に陰陽師安倍清明が親友の源博雅と挑むこの世ならぬ難事件
内容説明
平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせこの世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。
目次
玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること
梔子の女
黒川主
蟇
鬼のみちゆき
白比丘尼
1 ~ 1件/全1件
- 評価
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ymk@好きな本本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
382
ある程度までシリーズを読んでいたんだけど、どこまでだったのかわからなくなったのでいっそのこと初巻から読み直し。この頃からフォーマットが決まりまくってするする読める。怪奇幻想小説としてもレベルが高く、怖さの表現も秀逸。舞台を平安時代にしているゆえの効果でもあると思うが、作品の垢抜けようもあって30年ほど昔に書かれたものと思えない。2016/12/03
starbro
344
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、原点に立ち返り、記念すべき第一巻です。最初からスタイルが確立されていました。私が社会人になった年から本シリーズがスタートしていたのも、何かの縁かも知れません。 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/04/29
HIRO1970
239
⭐️⭐️⭐️長い事積読にしていました。夢枕獏さんの本は学生時代から気になっていましたが、完全に食わず嫌いだったようです。妖あやかしの世界観を書き現そうとする程の著者の試みは非常に微妙な季節や気候の移り変わりや自然と刻ときの変化を見過ごさず、その匂いや香りと触感や音色を存分に拾い上げて平安の時と闇を再現しています。本作の平安時代の晴明と博雅の立場はあたかもシャーロックホームズとワトソンのようで次々と発生する事件は難易度が高い程、興をさそうものでした。強敵モリアーティ教授キャラもそのうち出現するのかな?2015/02/08
*すずらん*
167
あなや☆時代物はあまり読まないので少し不安でしたが、読み易くてとっても面白かったです!きっとあの時代には 鬼も妖魔もそぞろあって、祟りや不可思議な出来事が、沢山あったのだろうなぁとドキドキ。一点の灯りもない闇の中で、人と妖が共に棲んでいた時代に思いを馳せました。また毎回晴明が博雅に問い掛ける問い、そして博雅の素直な物の見方が新鮮で、ストンと心に落ちていきます。彼等の距離感と強い絆には、古き良き時代を感じました。私にとっては両人とも、よい漢だなぁと惚れ惚れします。このシリーズは追い掛けていきたいと思います2014/02/17
KAZOO
147
夢枕さんの陰陽師シリーズを最初から読み直していこうと思っています。これで三度目になると思います。最近の出版の陰陽師に比べると安倍晴明も若干饒舌のようなな気がするとともに内容が長い気もします。最初の話はやはり一番印象に残っています。それと黒川主も。最初から野村萬斎のイメージで読んでいます。2017/08/25