文春文庫<br> LAコンフィデンシャル〈下〉

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文春文庫
LAコンフィデンシャル〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 385p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167527402
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

暴力、猟奇殺人、密告……悪と腐敗に充満した50年代ロサンジェルスを、悪徳渦巻く市警の内部を描くハードボイルド連作、初の映画化

内容説明

事件その1、“血塗られたクリスマス”。署内のパーティで酔った刑事たちが勾留中の容疑者に集団暴行!事件その2、コーヒー・ショップ“ナイト・アウル”で虐殺事件発生!事件その3、複数の余罪を暗示する、あまりにもどぎつい変態ポルノ写真の犯濫!事件1、2で明暗をわけた三人は、それぞれのやり方で悪の中枢へと近づいてゆく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

293
熱烈なエルロイ応援団の存在は予想外のこと。まして、それが私の読友の中に複数存在するなんて。この方たちのエルロイを分かって欲しいという熱い思いに現段階ではお応えすることができなかった。しかし、観念が先行することなく、細部を綿密に積み上げていくことで生まれてくるリアリティに圧倒されること。また末尾の1行にはフローベールの『ボヴァリー夫人』のような達観が見られることなど、本書が一見したところとは違って、実は小説の王道を形成していることが読者を惹き付けてやまないのだろうと思う。読後の悲哀感とやるせなさには確かに⇒2017/07/05

W-G

265
一読しただけでは事件のアウトラインを完全に把握するのは不可能に思えるほどの難解さと関係者の多さ。しかしこれが癖になる。少しばかり主人公三名の周辺に真相を寄せすぎている感もあるが、この作品に関してはそれも良いところで、終盤に三人がようやく一堂に介し、それぞれ持つ断片が化学反応を起こすようにつなぎ合わさっていく快感が最高。ジャックがカレンの手紙を読んで生き返る場面も最高。嫌い合っていたエドとバドの行く末も最高。リンの選択も最高で、唯一、イネスだけが何を考えているのか最後までよくわからなかった。2023/08/17

まふ

112
凄まじい物語であった。結局生き残ったのはエドだけ!警察幹部も地方検事も町の有力者もみんな滅びる…。殺人現場も拷問現場も言葉にならないほどの残酷な場面が続き「飽食感」で胸も腹も頭もいっぱいになる。「ここまで人体を切り刻まなくても…」フィクションとは言え、もう少し情緒を感じさせてもらいたかったが、ないものねだりでしかない。超ハードな警察モノであった。「これ以上はご勘弁を」というところで漸く読了にたどり着いたことを寿ぎたい(?)。 G682/1000。2025/01/18

扉のこちら側

88
2016年778冊め。【212-2/G1000】血まみれの解決編。長年に渡るいくつもの謎が、一つの解答へ集約されていく見事な結末。しかし、あまりにも傷ついた人は多い。どうしてもドラッグと性暴力を避けられないシリーズだが、今回はポルノが絡むあたりでくり返しき出てきてげんなりする。死体がなんらかの形で損壊されるのも作者の特徴か。2016/10/01

NAO

79
心の底に暗い部分をかかえた三人は、激しく反発し合いながらも三様のやり方で事件に取り組んでいったが、彼らの向かうところは、実は同じところだった。巨悪の根源はかなり早い時点で予想ができてしまったが、三人が最後には理解し合えたのがまあ、よかったというところだろうか。結局、輝かしい経歴だけに支えられている人間ほど、実は正しく生きることの大切さが理解できていないということなのか。自分に忌まわしい過去があるものの方が正しい世界の必要性がより強く実感できるのかもしれない。2019/03/08

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