出版社内容情報
下町の貧しい職人の息子が、己の将棋の腕一本を頼りに「大名人」への道を歩む姿は、将棋ファンならずとも胸うたれずにはいられない
内容説明
東京下町の貧しい下駄職人の息子が、おのれの将棋の腕を頼りに、貧乏のどん底から這い上り、成功への階段を一歩一歩のぼっていく姿は、将棋ファンならずとも胸うたれずにはいらない―。木村義雄14世名人の達意の筆は、自身の立志伝をさわやかに綴ると共に、今や懐しい大正・昭和初期の東京の下町風俗を鮮やかに甦らせます。
目次
町将棋
新天地
初奉公
転換期
好敵手
通勤
流寓時代
曙光
新機運
再転期
大成会
新修行
闘病
未断惑
新構想
再試練
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
38
編者の天狗太郎氏が、文庫化にあたり「将棋の専門家しか必要としない一部章をカットした」と書いているが。原著が32章あるところを、11章もカットしている。そのうちには、名人の結婚の事情、大正大震災関連の記述、太平洋戦争中の苦心の経緯などが含まれる。また、名人復位後の、大山・升田との名人戦や、14世名人襲位の章も省かれており、不完全な本としか、いいようがない。2020/02/23
根室
0
14世名人の伝記。戦前戦後の棋界の発展と、下町の貧しい家族の景色。最強と言われた人なのに文章が謙虚だった。それだけ苦労してる2012/08/21