出版社内容情報
夫と共働き、そして二児の子育て──その十四年の間、PTA会員であった著者が戦後教育の原点であるPTAを生活感覚で問い直す
内容説明
これは単なるPTA案内ではない。誰もが敬遠しがちなPTA委をつとめた著者が、学校行事への“祝い金”や広報紙への“検閲”といった問題に直面し、教育現場での体罰、いじめ、内申書に悩み、そこからPTA本来の親と先生との在り方を問い直した感動の書。
目次
四月(花吹雪の入学式;PTAは、女性解放そのものだった)
五月(いのちを張った先生たち;PTAの現場から)
六月(心通いあう歓送迎会;金一封への複雑な想い)
七月(校長先生は一枚の楯;体罰の先生に抗議)
八月(八月十五日―体験を伝える;国道沿いのポルノ自販機)
九月(ある暴走族少年の死;発行停止になったPTA広報)
十月(オートバイの是非;「内申書」と夜中の電話)
十一月(秋、感性育てた読書会;父親参観日の“小さな事件”)
十二月(役員たらいまわしへの疑問;“肩書のない主婦”会長の出現)
一月(母性がつくられるとき;PTAくだらん、の大合唱に抗して)
二月(つくれなかった会員名簿;雪の日、PTAが変わった)
三月(先生は、なぜ自殺したのか;もう一度、PTAの出発点に)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
6
近代女性史に関する本を出している永畑さんの本ということで、古書店で購入。発行年が1991年。子どもの教育をめぐっては、戦前は「父兄」が責任対象であって、母親が除外されていた。それが戦後、自分の子どもの教育には任意団体であるPTAが重要だという考えが入り、あくまで加入は任意、しかし自発的に自分の子どもの教育現場を良くしていきたいという人で組織されたはずのPTA活動をめぐる、人と人の問題、学校との問題などがつづられている。今もそうかもしれないが、PTAというものが恐ろしくなった。2016/09/17