文春文庫
白樺たちの大正

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  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167519117
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

「白樺派」はかねてから“能天気な理想主義者”の代名詞であった。いまや完全に忘れ去られ、顧みる人すらいない。しかし、と著者はいう。武者小路実篤は一時代の革命者であり、志賀直哉は最先端思潮の体現者だったのだ、と。「新しき村」運動を軸に、大衆化に向かう近代史上の一大画期を描き出す渾身の力作評論。

目次

明治十五年以後生まれの青年
「改造」への衝動
女たちの「大正」
学習院という空間
「友情」のコスモポリタニズム
シベリア出兵と日本社会の変質
彼らが思った「美しい町」
或る青年たちの夢
「大水路」の建設
夫、父、家長としての志賀直哉
実篤、村を去る
ものみな「歴史」となる

著者等紹介

関川夏央[セキカワナツオ]
1949年、新潟県生れ。上智大学外国語学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きじねこ

2
何度も読んでいる。何度も最初から最後まで。 時間や気持ちに余裕がない時、面白いと分かっている既読本を手に取ることはよくあるけれど、大概は拾い読みだったり途中まで読んで満足したりする。が、この本は別。何度でも最初から最後まで読みたくなって、何度読んでも色褪せず面白い。関川夏央の文章はどれも好きだし上手いなぁーっていつも思うけど、これは別格。多分死ぬまでに一番何度も読むだろう本だろう。そうだといいなとも思う。 石光真清の出てくる場面が全て素晴らしい。関川夏央、白樺派の誰よりも石光真清が好きなんじゃないかしら。

takao

1
ふむ2024/10/17

ToHouku

0
社会主義と呼ばれる以前、ユートピアをつくろうと挑んだ武者小路実篤を中心に、過去と現代をブリッジする時代とさしての大正を鮮やかに映し出す。大正ブーム、來たる。2017/05/01

さとうち

0
新しき村の話はとても面白い。その思想や実践が当時は政治的前衛を担っていたということもわかり大変勉強になった。ただ、白樺派の人々の文学や思想と関係ない記述があまりに多すぎる。それも大正期の歴史や文学について既にいわれてることをツギハギしただけな印象。武者小路の「新しき村」思想をそういう既存の文脈に置いてみただけという感じ。白樺派やそのネットワークの話をもっとしてほしかった。2013/09/20

minya

0
再々々…読。 何度も何度も繰り返し読んでいる、大好きな本です。 筆者の苦しいほどの情熱と思い入れ、それに溺れず『白樺たちの大正』を見つめる眼差しに、何度読んでも大満足。 関川夏央はほんと文章が上手いなあ。 とりあえず本棚から一冊選べ、と言われたらこの本を選びます。 この本で石光真清を知って、大好きになってしまいました。 いつか彼の本を読みたい。2013/08/10

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