文春文庫<br> 名主の裔

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文春文庫
名主の裔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167497033
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

祖父、父と三代にわたって、「江戸名所図会」を著わした斎藤月岑は、江戸最後の名主でもあった。江戸から東京にうつる時代を描く

内容説明

斎藤月岑は神田雉子町に居をかまえる、草創名主24家のひとつ、斎藤家の9代目である。祖父、父と3代にわたって著わした「江戸名所図会」は斎藤家の悲願の作であった。江戸最後の名主の目を通して江戸から東京に変わる時代相を描く表題作、「江戸繁昌記」の寺門静軒の生涯を描く「男の軌跡」を収める中篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

7
中・短編2話を収録。どちらも実在の人物を扱ったもので、時代も江戸から東京へ変わるころ。表題作の主人公は、徳川家康入府のころからの町名主である九代目斎藤市左衛門。月岑(げっしん)の号で「江戸名所図会」や「武江年表」など庶民目線の記録を記した人でもある。「わたしが仕えているのは、新しいお上でもなんでもない、町方の人々なのだ」という信条が貫く物語は、凛としていて切なく、江戸に郷愁を覚えるものでした。2019/11/13

wasabi

6
草創名主の要職を果たしつつ斎藤市左衛門が三代にわたって完成させた『江戸名所図会』は、以前の職場で学ぶ機会があった。もっとも、その作を完成させ世に送り出した月岑についての知識はなく、幕府からも一目を置かれていたという名主として、東京になっては戸主として役目を果たしたその人物を知る。月岑の著作にせよ、併録『男の軌跡』で登場する寺門静軒の著した『江戸繁昌記』にせよ、江戸に関する一級資料に違いないが、この小説で伝えられる庶民の風俗、風習、言語の描写さえ、杉本さんが調査、研究するなかで遺してくれた貴重な資料なのだ。2018/10/17

丸太

6
可もなく不可もなく、杉本としては今一つ魅力に欠けるかな。最後まで読了したが、最期まで引き込まれなかった気がする。2016/11/24

みっくん

1
江戸から東京に変わっていく時代の物語。実在の人物達ですが、メジャーとは呼べないですね。それだけに、現実味というか、歴史の深みを感じました。「昔」は、その時代に生きた人にとっては、「今」だったんだよなぁって感じます。2022/06/08

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