出版社内容情報
モデルクラブの女社長、祥子の楽しみは食べ歩き。年下の恋人や女友達と美味を探求する日々の中、食に無頓着な建築家と出会うが。
内容説明
ふぐの白子、蛙の煮込み、鮒鮨に鶏の水炊き。モデルクラブの女社長・三十三歳の祥子の楽しみは食べること。美食の秘密をちりばめた表題作他、広告代理店のエリートと流行作家の不倫「幻の男」、由緒ある高級住宅地を舞台にした人間洞察の傑作「東京の女性」。食欲、男、そしてプライドに踊る都会の女たちを描く、充実の小説集。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そら
26
3話目の話が、気になった。主人公は女性で、婚約者と2人で他人の家の2階を間借りすることになる。1階に暮らす60代のおばさんが、、いわゆる上流階級育ちだけど、屈託なく少女のようで、前向きで楽しいおばさん。のように見えて、、実はちょっと曲者だった。いるよね、こういう人。林真理子、こういうの上手いね〰。私もこうならないように気をつけないと(笑)。2018/06/08
miya
24
やっぱり期待を裏切らない「マリコ節炸裂~!」 真理子さんの描く女性像、男性像にはかなり慣れてきているけれど毎度のごとく男性がいかん・・・ 「東京の女性」では地方から出てきた見栄っ張りで虚栄心剥き出しの哀れな女性が「あー、いるいる、こういう人」と説得力満点。きっとこの主人公、今の時代に生きていたらSNS投稿に躍起になってるタイプだろうなぁ~ そんな見栄っ張りの若い女も年上のいい人の仮面をかぶった女性に木っ端微塵にされるのだけれど。 それでも彼女だったらまた懲りもせず上を目指すんだろう。2015/08/23
きのぴ
17
食欲、男、そしてプライドに踊る都会の女たちを描いた3編の短編集。どれも面白かった!「美食倶楽部」は、出てくる食べ物が美味しそうすぎて私も食にこれだけお金をかけられるようになりたいと思った。広告代理店のエリートと流行作家の不倫「幻の男」も面白かった。突っ走ってしまう女性が痛々しいながらも、少し笑ってしまった。由緒ある高級住宅地を舞台にした「東京の女性」。そこで暮らしてきたプライドのあるおばさまが、面倒くさいながらも最後は可愛く思えた。2022/08/11
アコ
12
美食倶楽部といえば北大路魯山人!とおもうも本作にはまったく関係がない。美味しいものを日々食べては追い求めるひとをテーマとした短篇集かとおもいきや表題作のみがそれで、かつ食に関してはあくまで一流店に通うことができる女のステータスを表す要素として登場。このあたりはやはり林真理子だなと感じる。2篇め『幻の男』がおもしろかった。事の大小はあれど由香里のような体験を過去にしてそうだなぁ、林さん(笑)。3篇め『東京の女性』は先日既読なのでスルー。これもぐいぐい読ませる嫌らしさがあるようにおもう。2013/06/13
よっち
11
若くはないけど、それなりの収入とステイタスと若い恋人を持つ、食べ歩きが趣味の女性が主人公。いまの生活に満足しながらも、迷いや不安が垣間見られる点は、おんなじ女性として共感できる点もありました。林真理子さんの得意要素がぎゅぎゅっと詰め込まれていて、おもしろいんだけど、ちょっと胸焼け。とにかく、林さんの本は作者を意識させるものが多い気がします。2013/04/11
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- 和書
- 祭りの果て、郡上八幡