内容説明
江戸の札差、西門屋慶左衛門は、金持ちの上に「今助六」の評判を取る色男で、無類の女好き。手をつけたようじ屋の女房、おきんが、亭主を殺して正妻お月のいる家に乗り込んできたからさあ大変。女に目がない男と、男に目がない女が、くんずほぐれつ、惚れたはれたの大騒ぎ…!著者初の時代小説、いよいよ開幕。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
83
中国・本家本元の「金瓶梅」は、タイトルだけで中身はまったくもって知りません。それを時代小説初挑戦の林真理子女史が「本朝」と頭に被せて書き上げた、ということで読んでみた。本家の原本と比較はできないのは残念だが…、本作はユーモアに富んでいて、途中思っていた以上にエロくて、厭きずに仕舞いまでたどり着くことができました。久々の林真理子さんの小説、お腹いっぱいいただきました。2021/06/01
mr.lupin
49
林真理子さん、名前は以前から知っていたが著書を読むのは初めて。江戸時代の官能小説。官能小説でありながら文体が柔らかいせいかドギツイ表現?の割りにはイヤらしさを余り感じる事なくスラスラと読了した。西門屋慶佐衛門の女好きとおきんのしたたかさにはやられた~。でも楽しめた作品だった。 ☆☆☆☆★2019/11/29
ミカママ
47
うわー久しぶりに強烈な林真理子節読みました。ていうか、めちゃめちゃエッチ!(笑) こういうの大好き!(笑) 時代小説なんだけど、ぜんぜん斜に構えていないのでそれもよかったです。いやーそれにしても、江戸時代のこの当時って(本作品の時代背景が本当だとしたら)、男女のみなさん、やりたい放題だったんですねぇ。なーんて、ため息つきながら読みました。林さんには、もっともっとこういう作品書いて欲しいな♪2014/07/25
優希
43
面白かったです。語り口が良いと思いました。官能の匂いをまといながら、ユーモアが感じられる時代小説ですね。2021/11/23
カーミン
40
時代物はあまり好きではないけれど、好きな作家さんだからと手に取ってみた。で、良い意味で「やられた!」と思った。とにかく面白かった。江戸時代のかんのー小説は読んだことがないけれど、こんな感じかなぁと思わせる。卑猥な言葉がどんどん出てくるが、不思議といやらしさを感じない。かんのー小説にありがちな、「性描写だけでストーリーがない」というパターンではなく、しっかりと男女の機微を描きながらも性描写が盛りだくさんなのは、さすがに林真理子さんだと改めて感服いたしました<(_ _)>2020/04/25