文春文庫
野ばら

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  • サイズ 文庫判/ページ数 421p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167476304
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

宝塚の娘役である千花は、歌舞伎界のプリンスと目される梨園の御曹司と、親友でライターの萌は歳の離れた評論家と、それぞれの恋を謳歌している。だが、花の盛りのように美しいヒロイン達の日々は、現実の退屈さや挫折、裏切りによってゆっくりと翳りを帯びていく。甘く苦い青春を描いた傑作恋愛長篇。

著者等紹介

林真理子[ハヤシマリコ]
1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第八回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

78
甘くて苦い恋物語でした。宝塚の娘役の千花とライターの萌のそれぞれの恋愛。後少しで幸せに手が届くのに、どこか不安がつきまとうのに恋の儚さを感じます。きらびやかな世界にいるからこそ悩んだり葛藤したりするのだと思います。美しいヒロインたちが現実の恋をつかむために過ごす日々には美しい輝きもあるけれど、翳りも見えていて、幸福と不幸の隣り合わせの香りをかがずにいられません。きらびやかな雰囲気で、全ての言葉がスッと胸に入り込んできます。切なくてキュッとなる感覚も好きです。2015/11/29

honoka

30
再読。時々ふっと思い出すのがタカラジェンヌの娘の方。花の時代は短くて。明日より今日の自分は若いのよ、毎日を大切に生きなくちゃねと自分を叱咤激励するのにガツンとくる一冊。と思うのは私だけかも?2014/10/27

miya

25
裕福な育ちをした千花と萌、恵まれた彼女達を描きながら「真理子節」炸裂! 真理子節が嫌いじゃない私。 そうそう、女のしたたかさ、特に若いってだけの特権を得てる世代にスパイスをじゃんじゃん振りかけた描きかたはピカイチですね。 宝塚の裏側は知っていたから特に驚かなかったけれど事実と知りながら書いちゃって大丈夫?と心配な程リアル(笑) 宝塚嫌いなのかな? それより若い女性が嫌い? 美女? 生まれながら容姿端麗で令嬢、皆から憧れる職業、素敵な恋人。何もかも揃っている登場人物を真理子節炸裂で描いていて痛快2013/09/22

kemi

20
やっとチケットがとれて3月に宝塚を見に行くので読んでみました。2017/01/07

みかん

20
タカラジェンヌの千花と雑誌ライターの萌、恋に奔放に生きる二人の美女の物語。タイトルが宝塚を象徴する「すみれ」ではなく「野ばら」であるのは、歌舞伎界という巨大な世界のブランドが欲しくて御曹司との結婚を目指して舞台と稽古そっちのけで恋に夢中になる千花のあざとさ、したたかさを暗示しているのかもしれない。また、父親と同じ年頃の映画評論家と不倫関係になり、彼を知りたいあまりにその娘にまで接近する萌はまさに下衆だ。彼女たちは温室に咲いて棘を処理されて花屋の店先に並ぶばらではなく、野に咲く棘を持った美しいばらなのだ。2016/12/29

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