内容説明
「放浪記」「斜陽」「氷点」「さぶ」「肉体の悪魔」「細雪」「嵐が丘」…。文学少女だった著者が若い読者のために、今までに読んで感動した本の中から54冊を精選し、人生の先輩として作家の視点で解説する読書案内。他に、既存の“文章作法”本の難解さを払拭し、その簡潔平明な内容で大きな反響を呼んだ「林真理子の文章読本」を併録。
目次
1章 林真理子の名作読本(「わたしが・棄てた・女」遠藤周作;「老妓抄」岡本かの子;「放浪記」林芙美子;「鏡子の家」三島由紀夫 ほか)
2章 林真理子の文章読本(何のための「いい文章」か;「いい文章」とは何か;「駄文」とは何か;「色をつける」ということ ほか)
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954(昭和29)年、山梨に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フェリシティ
27
「下流の宴」に続き林真理子2冊。彼女が二十代に読んで欲しいと思う本54冊をピックアップして紹介。文学少女でいらした林さんの読書量は相当なものだったのでしょう。しをんちゃんとどっちが上かなぁとちらと考えたり。全体的には、「聞いたことある、でも読んだことない」作家の名前が多くあり、割と古めの本を取り上げてらっしゃいました。読むと自分にプラスになり教養を深められる本なのだろうなぁと思います。「細雪」のダラダラと長い文章を、人の肉体のリズムに合っていると解析するのはとても新鮮で興味深かったです。2014/06/01
わんつーろっく
25
初出は「CREA」1997年からの連載で、2002年に「20代に読みたい名作」として単行本化されたもの。それからすでに20年近く経ち、20代は遠く昔に?なってしまったけれど、再読したいと思う書物に再会したような。今も大好きな小池真理子の「恋」、古本屋で見つけた「されど、われらが日々」、「ライ麦畑でつかまえて」に感動した何十万人の少年少女も、ほとんどタダの大人になったって、ん~ん、私もその一人だわ。自分の読メのレビューを読み返して、おぉそうだったか?と、感動を覚えるココロにも、旬があるよね。2021/04/05
mymtskd
21
ブックレビューにはその人の知性、知識、感性、経験、人生観が如実に現れるというのがよくわかりました。林真理子さんはこのような短い文章を書かせると天下一品ですね。すべての伝えるべき要素が過不足なくぎゅっと詰まっている感じ。しかもユーモアがある。後半の文章読本も面白いですが、前半のブックレビューも文章のお手本のようでした。2021/06/29
MIHOLO
21
読まずにきた名作を知りたくて、読んでみたけど、やはり既読本が何冊あるかとかに意識がいくんだな。森瑶子さんや山田詠美さんが出てきて、嬉しかった。もちろん読んでない本で、いくつか読みたい本もあったけど。著者も書いていたけど、歳を重ねてから昔読んだ本を読むと、捉え方が全然変わってると言うから、昔読んだ本、また読んでみようかなとも思った。2015/06/18
Matoka
17
この手の本にしては珍しく「読みたい本」が増えなかった。でも、たしかに昔って誰もがこの本読んでるみたいなブーム本ってあったなぁ。2018/08/05