内容説明
三十二歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚六年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる…。「不倫」という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いて一大社会現象を巻き起こし、TV・映画化された、恋愛小説の最高峰。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
66
あの石田ゆり子が 不倫役に挑戦ということで、 ドラマから 見たが、 小説の雰囲気は また 違う。 女心をうまく 描いているのでは、と思うが 私は 女ではないので、正しいかどうかは わからない。2010/06/12
ユウユウ
53
名前はもちろん知っている(映像作品は見たことないですが)不倫小説の定番。今更のように手にとって読んでみましたが、20年前の本で、確かに舞台設定や小道具は時代を感じましたが、意外に古くさくない。恋愛の普遍性なのでしょうか。ちょうど同年代で、かの『失楽園』も出版されてるのですね。以前はこの手の恋愛小説は苦手だったけれど、今回わりと面白く読めたし、読んでみようかな。2016/07/29
みゃーこ
51
離婚とか結婚とか不倫とか子供とか…。女同士は男によってアイデンティティがコロコロ変えられてきたものだ。「カーテン変えるみたいに自分の生き方変えるなんてありかもしれない」。最初たのしくてもいつでもすぐに物足りなくなることの繰り返しだとも言っている。あんまり幸せなんてものが絶対的なものとして永続的に存在するという幻想は絶望に打ちひしがれるのが落ち。生き方は相対的なものに振り回されてばかりだというハッタリの連続。林真理子の代表作。2015/05/28
カブ
50
「楽しいことなんかあまりないんだもの。最初楽しくてもいつだってすぐにつまらなくなってしまう。いつもこんな繰り返しなの」いつも自分ばかり損をしていると思い不機嫌な麻也子。そして、罪悪感なしに不倫する。まったく共感できませんが、ドラマの原作だと思うと面白いキャラクターです。2016/06/12
鍵ちゃん
47
32歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚6年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる。「不倫亅という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いた。麻也子の事を分かってない航一も悪いな。(もっと悪い原因がある)でも麻也子の欲望も凄いと言いたい。不倫は決して良くないが、女の欲望を知らない、考えた事のない男は多いのでしょうか。電車の中で読んでいて隣が気になる作品でした。2023/06/13