出版社内容情報
青森発上り急行「津軽」の中で男の死体が発見された。次々と姿を消す出稼ぎ労働者。闇の手に翻弄される男たちを十津川警部が追う
内容説明
青森発上り急行「津軽」は別名“出稼ぎ列車”と呼ばれる。午前6時、定刻に上野に着いた列車から男の絞殺死体が発見された。建設現場から次々と姿を消す出稼ぎ労働者たち。安否を気づかって上京して来たその妻も…。華やかな大都会の死角に仕掛けられた巧妙な罠。闇の手に翻弄される男たちを追う十津川警部の怒りが爆発する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
130
「出稼ぎ労働者」の勤勉さ真面目さやその妻たちの覚悟と社会の落後者である「ホームレス達」の実態という社会性のある話が読めてよかったですね。そして何時になく犯人に対し強い憤りを感じて冷静ではいられない東北出身のカメさんは負傷しながらも決して怯まず後には引かないど根性を見せて天晴な大活躍でしたね。15頁の記述から本件の発生が昭和60年(1985年)で64頁に書かれた「四十五歳の亀井」「四十歳の十津川」という記述から亀井刑事は1940年生まれの今年78歳で十津川警部は1945年生まれで今年73歳とわかりましたね。2018/03/03
退院した雨巫女。
9
《母‐図書館》出稼ぎしなければいけない弱者をくいものにする、同郷の悪人。赦せない。2011/04/08
fumikaze
5
「出稼ぎ」とか「集団就職」という言葉を最近は聞かなくなったけど、寂しい響きがある。家族を残して都会に出稼ぎに来る人達の気持ちを考えると、これは哀しいストーリーだ。2015/09/02
ケルトリ
4
西村京太郎の本は本作が初めてであったが、非常に読みやすい文体で好きだった。2020/09/11
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
4
1989年 6月10日 初版。「勝手に西村京太郎祭」第111弾文庫215冊目。今では全然聞かなくなった、出稼ぎ労働者と、故郷に帰れなくなったホームレスを使う密輸の話であった。また客車列車に乗りたくなった。2016/05/05
-
- 和書
- 日本語大事典