文春文庫<br> 愛読者―ファンレター

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文春文庫
愛読者―ファンレター

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167451080
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

本にサインして送って下さい。写真送りますから、会って下さい―熱狂的読者の要求はエスカレートし、やがて悲劇が…(「覆面作家」)、作家の了解も得ず講演会を企画する図書館司書(「講演会の秘密」)、下手な小説を送りつけ添削せよと迫る作家志望者(「ファンレター」)他、覆面作家・西村香を巡る怪事件の数々。

著者等紹介

折原一[オリハライチ]
1951(昭和26)年生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て88年に『五つの棺』(後に改作して『七つの棺』)でデビュー。以後、大胆な叙述トリックを駆使した本格ミステリーからトラベルミステリー、サスペンス、ホラーと幅広い作風で活躍。95年には『沈黙の教室』で第48回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

131
覆面作家・西村香に届くファンレターの数々は、どいつもこいつも身勝手し放題!一方それを被る作家側も、「否」の返事に懇願する常套手段に、金銭には惹かれずもエロには速攻で「快諾」とは(笑)とにかく、しょうもない人達の本望や感情が思惑なしに堂々とぶつかり合うのに苦笑するばかり…それでも、ただの荒唐無稽では終わらさず、程よく捻られてブラックな結末に導くのは作家ならでは。各短編での相互の憤怒や嘲笑を絡めた上で、覆面設定で成敗していくのは鮮やか!それにしても、こんなに脳内混乱させることなく楽しめた折原作品は初めて(笑)2018/11/24

🐾Yoko Omoto🐾

129
ミステリ界の覆面作家「西村香」が、様々な気持ち悪いファンから図々しいお願いを一方的にされながらも巧妙にあしらっていく連作短編集。一応西村のモデルはジョークの範疇で「北村薫」氏らしいのだが特に作品を知らなくても問題なく読める。手紙、FAXのやり取り、手記などの作中文書を中心に折原氏らしい仕掛けが炸裂。パターン的に氏の作品で似たものがあったように感じる落ちも見受けられたが楽しめた。「講演会の秘密」「ファンレター」「二重誘拐」の落ちは面白い。それにしてもこんなに謎めいて不愉快な主人公もそうそういないだろう(笑)2014/09/17

あも

109
くあーっ!おもしろいー!覆面作家・西村香の元に次々に舞い込むおかしな手紙…のやり取りだけで成立する短編集。どいつもこいつもクズ揃い!結末もひどいものばかりなのに、ほんっとしょうがないなこいつら!と笑えてしまう。正しいイヤミスってこれじゃない?おどろおどろしさやエグさを売りにしなくても、イヤーな話でうわぁ~と引いて、でも最後はもうええわ!と笑えてスッキリ。そして何より重要なのは"イヤ"ミスではなく、イヤ"ミス"であること。強調するのはこっちでしょ?こんなに気持ちよく読める本もそうそうない!あー、楽しかった!2018/11/19

KAZOO

100
折原さんの作品にしては少し異色の作品集です。連作短編で一つの話となっていきます。スモール折原ワールドという感じで先輩作家を若干モデル化したコミック的な要素もある作品です。時たまこのような作品に浸るのもいいかもしれません。2015/07/18

ダイ@2019.11.2~一時休止

92
~者その3。北村薫さんがモデル?の連作短編集。傾いた密室・二重誘拐なんかがイイ。2013/12/28

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