文春文庫
ピカレスク 太宰治伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 556p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167431136
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

「井伏さんは悪人です」。太宰が遺書に書いた言葉の意味は何だったのか?親兄弟、友人知人を騙り、窮地に陥る度に自殺未遂を起こした太宰。その太宰を冷徹に観察し、利用した井伏。二人の文士は、ともに「悪漢」であった。師弟として知られる井伏鱒二と太宰治の、人間としての素顔を赤裸々に描く傑作評伝ミステリー。

目次

第1章 第一の事件
第2章 第二の事件
第3章 山椒魚の受難
第4章 第三の事件
第5章 第四の事件
第6章 三鷹・下連雀へ
第7章 太田静子の日記
第8章 山崎富栄の青酸カリ
終章
増補『黒い雨』と井伏鱒二の深層

著者等紹介

猪瀬直樹[イノセナオキ]
作家。1946年、長野県生まれ。『天皇の影法師』(83年)をはじめ、『日本凡人伝』『黒船の世紀』『ペルソナ―三島由紀夫伝』など多くの著作がある。『ミカドの肖像』(86年)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本国の研究』(97年。文藝春秋読者賞受賞)は、政界の利権、腐敗、官僚支配の問題を鋭く突き、小泉首相から行革断行評議会委員、道路公団民営化推進委員に任命される契機ともなった。他の著作に『道路の権力』『道路の決着』など。また、メールマガジン「日本国の研究」を主宰、政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授など幅広い領域で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

148
週刊ポストに 56回に渡って 連載された太宰治の物語である。映画化もされ、今なお 多くの読者を魅了する作家の物語である。 太宰治の知られざる 生い立ちが 丹念に描かれて 正直 すこぶる楽しめる。 4回にも渡る自殺と破天荒な日々 …身勝手な生き方が いかにも 昭和の文豪らしい。 断片的な太宰治の人生が 繋がっていく…そんな楽しい読書だった。 2020/09/20

momogaga

39
読メ開始以前の既読本。太宰にまつわる登場人物たち、どんなビックネームもただの脇役になってしまいます。

里愛乍

39
兎角この太宰治、自身の書く小説よりも充分に奇なりというべき作家さんなのである。基本私は、小説と書いた本人の為人など同一視したりはしないのだけど、この人は例外となりそうです。本書を読んで、太宰治という人格に触れた今では屹度今後彼の小説を読む度に彼がチラつく。少なくとも其処にある、文字を言葉を文を追うだけのものではなくなった。読後直後に読んだ『グッド・バイ』の軽さがなんだか切ない。2018/02/07

ヒロミ

39
正直、猪瀬直樹は苦手なのでおずおずと読み始めたが一気に読まされてしまった。この強引なまでの筆力がプロの仕事である。タイトルの「ピカレスク」とは「悪漢」のこと。この評伝は太宰と師匠の井伏に焦点を当てて進んでゆくが、太宰を「悪漢」と捉える視点と井伏もまた「悪漢」であったとして捉えた視点に分かれている。井伏ひとりというよりも井伏は太宰を取り巻く周囲の人々の代表として悪漢の立場に立たされているという印象を持った。本作の太宰は虚無的だが、太宰を取り巻く周囲は更に冷たい。読み応えはあるが苦手な作品。2015/10/09

☆エンジェルよじ☆

15
『井伏さんは悪人です。』太宰治の遺書の冒頭である。「エッ~メロスと黒い雨がどう繋がってんの!?」帯買いでもジャケ買いでもなく広告借りで読む。当時は太宰作品を何も読んでなく名前を知っている程度。今回太宰作品を読んだ後で再読するとあの作品はこの時期にこんな環境の時にと思い浮かべながら読む事ができ、より興味深かった。太宰さんの行き詰まるととってしまう行動。最期も自分は助かると思っていたんだろうな、と思ってしまった。増補&あとがきまで読み応えがあった。2013/01/21

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