出版社内容情報
元NHKの名アナウンサーが綴った心に沁みる半生紀。型破りで「太陽」と呼ばれた新人は様々な人との出会いを支えに成長していく
内容説明
「ひるのプレゼント」「紅白歌合戦」「ウルトラアイ」などの司会をつとめた名アナウンサーが綴った半生記。NHKに入局した歌舞伎好きの青年は、あまりの無軌道ぶりに“太陽”と呼ばれた。当時流行の太陽族という意味だ。時に挫折を味わうことも。しかし、様々な人との出会いを支えに、成長していく。
目次
NHK入局試験
アナウンサー養成所
青森放送局時代
仙台中央放送局時代
大阪中央放送局時代
東京アナウンス室時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hitotak
6
昭和31年に入局した著者がアナウンサーとして活躍した日々が書かれている。ラジオからテレビに主役が切り替わる時期に入局し、アナウンサーの役割や存在意義も変わった事、局内で報道局が幅をきかせ、アナウンサーの仕事だったニュース読みを、記者出身のキャスターに奪われていったこと等に苦言を呈する箇所もある。ラジオ時代は歌舞伎や舞台中継をアナウンサーが役者の出入りや所作、衣装まで解説しつつ放送していたというのも驚く。大阪時代に元々好きだった文楽や歌舞伎に通いつめ、役者達と親しく付き合った日々が後の糧になったという。2020/11/15
たくのみ
6
大晦日といえば紅白。紅白司会といえばこの人、山川静夫さんの自伝エッセイ。アナウンサーの基礎を学んだ青森・仙台時代、歌舞伎・文楽の素養を鍛えた大阪、そして東京での華やかな活躍。相手の胸襟を開かせる技、連夜にわたる飲み会がうみ出した、ブラックで切り込むようなトークも、実は計算されて繰り出されていた。古典芸能への深い理解、科学番組へのこだわり。宮田輝さんとの思い出、歌謡番組でアシスタントだったキャンディーズ、NC9の磯村さんへの視線、懐かしい番組の裏話も面白かった。2013/12/31
ataka
0
「アナウンサーを殺すのに刃物はいらないといわれる。お前は下手だ、お前は駄目だ、と周囲から言われ続ければ、そのアナウンサーはコンプレックスにうちひしがれて必ず駄目になる。殺される、ということだ」p.322011/03/27