内容説明
女性ジャーナリスト第一号の清水紫琴、「青鞜」の主宰者平塚らいてう、歌人与謝野晶子、救世軍を支えた山室機恵子、日本初の女医荻野吟子、名女優水谷八重子、大本教開祖出口なお…一度きりの人生を、自分らしく懸命に生きた明治生まれの五十二人の女性たち。その鮮やかな一生を、密度の濃い文章で描く。
目次
明治女学校のころ
青鞜の「新しい女」
大正的事件
私は納得しない
もの書く女
人のために生きる
天職をみつけて
それでも私は演ずる
横紙やぶりの人生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
57
長い積ん読をようやく読了。どの女性も明治から昭和にかけて必死に生き抜いた激しい生き様で胸を打つ。夢二のモデルの女たちも名を連ねる。大正ロマンの象徴となった彼女たちもまた明治生まれの女であった。テレビもインターネットもない時代だからこそむき出しのナマの人間性を感じる。阿部定の名もあるが、彼女の転落ぶりを読んでいると「女は肚さえくくればここまで堕ちれるのだろうか」と空恐ろしくなり、自らの手綱をしっかり締めて生きていこうと半面教師として学ばせてもらった。2017/11/01
てくてく
5
幕末から明治という体制の大変化があったためか、登場人物の親の教育への熱意などを強く感じた。政治、社会福祉、文芸、教育などで活躍した、あるいは活躍しようとした女性がコンパクトに紹介されている。中にはそれまで知らなかった人もいて、楽しかった。2016/05/22
yori
4
★★★★☆ 今の様な自由が許されなかった時代に生きながらも、己の生き方を貫いた女性たち。凄いの一言。。一人一人の写真を載せているのもGOOD。写真を見ながらこの人がこんなぶっ飛んだ事を、、、などと想像しながら。2011/08/07
Gen Kato
2
再読。それなりに知っている女性から、あまり著名とは言いがたい女性まで、さまざまな近代の先達たち。彼女たちの詳しい評伝が読みたくなりました。2015/09/02
キムチ
2
「私は私よ」・・ほんとにその通り。筆者の視点がいい。近づくでもなく、お追従でもなく、からり。でも有為転変・・人の人生とはいえ凄い。だから、本は止められない。いや、事実がもっと奇なり・・だわ