出版社内容情報
出世に汲々とする武士に嫌気が差した日向半兵衛は隠居暮らしを始めるが、彼の腕を見込んで相談が次々と舞い込む。痛快時代小説!
内容説明
直参旗本・日向半兵衛は、出世のことしか考えない同僚に嫌気がさし「あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって死にたい」という願いを込めた「無用庵」で隠居暮らしを始める。のんびりと過ごすはずだったが、舞い込んでくる事件の数々。「口は悪いが情けにゃ弱い」日向半兵衛が難事件を解決する痛快時代小説。
著者等紹介
海老沢泰久[エビサワヤスヒサ]
昭和25(1950)年、茨城県生まれ。国学院大学卒業後、同大学折口博士記念古代研究所勤務ののち、63年「F1地上の夢」で新田次郎文学賞を、平成6年「帰郷」で直木賞を受賞。平成21年8月、十二指腸がんのため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
82
つい最近家人が時代劇を見ていたのをちらっと眺めたら水谷豊と岸部一徳が出ているので相棒の時代劇版かとクレジットを観たら原作が懐かしい海老沢さんということでこの本を手に取りました。「監督」「美味礼讃」を読んでいた私はこの方がお亡くなりになっているのを知りませんでした。このような時代劇連作を書かれていたのですね。隠居のじいさんとその家来のような人物が事件を解決していきます。この作品で「キリシタン類族」という概念を掘り起こしたのに残念です。ほかの作品も読んでみようかと思っています。2022/03/30
goro@the_booby
52
隠居修行と称して無用庵なる居を手に入れた元旗本の日向半兵衛であるが、何かと事件に巻き込まれる8編の連絡短編集。周りを固める人物も味があり、親戚となった蝋燭問屋の金右衛門、キリシタン類族をまとめる聖天の藤兵衛に用人の勝谷。殿に頼まれたら一肌脱ぐ面々が頼もしい。悪い奴らは許せねえ!と隠居の日々も騒がしく、お咲、奈津と言い寄られるながらも満更でもない半兵衛さん。これは楽しいシリーズになりそうだったのに遺作となってしまったのはとても残念無念!ノンフィクションだけではない作者の力量を感じた。「青い空」も読まねば。2020/06/09
onasu
15
江戸も後期、白河公が表舞台に現れる頃、直参旗本の大番役、54歳の日向(ヒナタ)半兵衛は、前々から隠居を企んでいたが、跡継ぎがいないため、同い年の用人から留められていたが…。 初話で養子に格好な者が現れて、隠居宅に掲げた「無用庵」との言葉通り、心を乱すことなく立派な隠居になるはずが…。 まあ、そうなってしまっては作品にはならないので、次々と面倒ごとに関わっていくことに。半兵衛も周りがほおっておかない造けいだが、脇役たちも魅力的で、おもしろい作家さんを掘り当てたかと思ったが、残念ながら、著者は泉下だそう。2022/05/06
たーくん
11
古本屋で偶然見つける。この作家の時代小説は初めてなので、購入。面白くて一気読み。反骨精神が痛快。他の時代作品も読みたいと思って調べる。なんと、亡くなっていた。早い他界にショック。→→→直参旗本・日向半兵衛は、出世のことしか考えない同僚に嫌気がさし「あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって死にたい」という願いを込めた「無用庵」で隠居暮らしを始める。のんびりと過ごすはずだったが、舞い込んでくる事件の数々。「口は悪いが情けにゃ弱い」日向半兵衛が難事件を解決する痛快時代小説。 2018/02/15
YOMIPITO
7
水谷豊が長年出ている同題ドラマに原作があり、しかも海老沢泰久と知り手に取る。ドラマ情報を調べながら読んでみたが、もはや原作の数を越えてるし登場人物もやや違うので別物だ。小説は何が面白いって、同い年の主従、日向半兵衛と勝谷彦之助の感覚が現代人なのだ。世の中の仕組や決まり事に対して下らぬことだと思うものの、声高にならず、その時に自分ができることを立場をわきまえて行う。老いを嘆くわけでもなし。その様が気持ち良い。やや世直し風の話が続いて、最後の一編で家族の話にやや転調。三屋清左衛門っぽくならず程よく閉幕の名品。2026/09/26




