出版社内容情報
18台のF2マシンに乗ったドライバーたちがチェッカーフラッグを受ける瞬間をめざして驀進する。男たちの熱き闘いを描く長篇小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
28
本棚の奥の方から出てきたのを引っ張りだし再読。トーチューでのコラムを長く読ませてもらっていた海老沢さん、数年前にお亡くなりになったのだなあとしみじみ思いながら読む。これは今読んでも面白い。一番速い男か、強い男か、はたまた天才新人がしのぎを削るレース。スリップしてからハンドリングだけでの奇跡的な回復など、レースシーンを活字で熱く読ませてくれます。今は絶版なのかな。惜しいな。2012/05/19
G軍曹
3
1980年台の日本。まだモータースポーツの世界で日本が後進国だった時代に鈴鹿サーキットで開催されたF2グランプリの1日を描いたスポーツ小説。海老沢泰久さんの作品の中では初期のお話だけど面白い。F1とかまったく興味がないのですがレース展開の描写が巧みで手に汗握りました。2018/05/17
でおでお
3
中嶋悟の1987年までの歩みを追った「F1走る魂」を読んで著者の力量を把握していたので借りました。81年時点で雰囲気だけの格好よさを描くのではなく、ドライバーの個性、エンジン、シャシー、タイヤ、チーム運営にかかる資金のやり繰りまでレースの緻密さをよくぞ表現してくれた。2011/05/09
とりもり
2
著者の本を読むのは、20数年前に読んだ「F1走る魂」以来(今も持ってる)。中嶋悟を追ったノンフィクションの同作とは異なり、本書はフィクション。でも、まるで実話のような臨場感があって、非常に堪能した。ラストも、おそらくほとんどの読者が「こうなって欲しい」と思うストーリーで、かつ読み応えがある構成は本当に見事。数年前に亡くなられて、もう新作が読めないのは残念な限り。未読の「F1地上の夢」も読んでみようと思った。オススメ。★★★★★2016/04/01
からしれんこん
2
昔のモータースポーツってほんまに死と隣り合わせで、現代のモータースポーツの基礎となってるんやなと改めて思わされた。高齋氏のようにすっきり感はないけど、レース界の泥臭さを充分に味わわせてくれるいい作品やった。マーシャルが死ぬというのを話に入れるところはかなりリアルで、鈴鹿も改修前のコースでそれが逆に新鮮やった。2011/06/17