文春文庫<br> 江戸切絵図貼交屏風

文春文庫
江戸切絵図貼交屏風

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167409036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

浮世絵師・歌川貞芳が遭遇する心中、仇討、悲恋の幕切れ。湯島、向島、神楽坂…江戸情緒たっぷりに人生模様を回遊する、連作短篇集

内容説明

刀を捨てて浮世絵師になった歌川貞芳。彼の描く艶やかな美人画には、数々の悲恋、心中、仇討ちの秘話が、さらにその背後には幕藩体制の軋みが隠されていた。湯島、根津、向島…江戸の賑わいと四季のめぐりの中で、懸命に生きる人々の息づかいを甦らせる短篇連作。町と人と絵とが鏡のように映し合う三曲一双屏風。

目次

山王花下美人図
美南見高楼図前後
湯島妻恋坂心中異聞
無量寺門前双蝶図縁起
根津権現弦月図由来
向島百花譜転生縁起
墨堤幻花夫婦屏風
神仙三囲初午扇
武州浮城美人図下絵

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

FK

4
9編の連作短編集。1995年の文庫本。実は、私は辻邦生は、気にはなっていたが、まだほとんど読んでいない。この年齢になりようやく読めるようになってきた気がする。この時代小説も本当に良い雰囲気で、お勧め本である。文章に格調を感じる。そんなことを私が言っても説得力はないのだが。しかし古き良き江戸の風景が彷彿としてくるようだ。  美とは、ただ手先で作るのじゃない。その人がその世界を本当に生きていて、初めてそれを他人(ひと)に伝えることができるんです。(P.190)2019/04/15

ホレイシア

4
この方も美しい日本語を自在に操る方だった。どんな時代を書かせても気品がある。さだまさしのファンでいらしたと聞いたが、大いに納得。共通点は日本語を大切にしていることだと思う。

りーよ

2
ミステリーを絡めた短編連作だからというのもあるのかもしれないが、今まで読んできた辻邦生の本の中では「面白さ」に比較的意識を置いているように思える。それでも江戸の景色や浮世絵の美しさが物語を包んでいるのは相変わらずの芸術性。主人公・歌川貞芳は実在の絵師のようなので、作品を見てみたくなった。2020/04/23

韓信

0
元武士の浮世絵師・歌川貞芳の描く美人画にまつわる悲恋、心中、敵討ちなどを、幕藩体制のきしみを背景に、江戸の四季の移ろいと風物を交えて描く連作捕物帳。画のモチーフこそ異なれども展開がワンパターン(貞芳の画のモデル探し→モデルになった美女がワケあり→殺人事件発生→美女やその親族が関係→出身の藩財政にまつわるいざこざが原因)だが、細やかな刃傷の機微や、江戸の風物の描写で読ませる、文章も含めて端正な時代物。ちなみに主人公は実在する歌川貞芳とは別人のようだ。2023/05/21

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