出版社内容情報
大ヒット曲を狙う各ディレクターの夢と挫折を描く表題作、旦那を持ち続ける元芸妓の心境を淡々と描く「老梅」など円熟の好短篇集
内容説明
演歌に情熱を燃やすレコード会社のディレクターの夢と挫折を、女性作詞家の眼で描く表題作、旦那が来るのをひたすら待ち続ける老芸妓の心情を淡々と描く「老梅」の直木賞受賞作のほか、良質のジゴロ小説「貢ぐ女」、プロ野球選手とポルノ女優のしがらみをヴィヴィッドに描く「弥次郎兵衛」を収録した会心作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
86
【直木賞】短編4話。貢ぐ女、弥次郎兵衛、老梅、演歌の虫。 オール読み物昭和58年2月、昭和59年4月。別冊文藝春秋昭和59年168号、160号。後ろ2つが1985年直木賞受賞作品。前2つは候補作品。「演歌の虫」は、演歌を支える作詞家、作曲家の生き方を伺い知ることができ貴重。「老梅」は紅白の梅のうちの一方だけが残っているもの悲しさ。「貢ぐ女」は、作品における手帳の使い方がうまいかも。いずれもわびしさ、寂しさ、悲しさ、哀れさなどの演歌の題材によく合う。2013/11/17
kaoru
23
大人の恋愛を描いた短編が多いのですが、男女双方の微妙な心理が描かれているのが凄い。女性作家なのに、男のずるさや弱さにリアリティがありました。また、表題作は大人の青春と挫折を描いた良作です。2017/10/10
背番号10@せばてん。
18
【1985_直木賞】1988年3月11日読了。ちなみに、自分が登録7人目。少な…。1988/03/11
おさむ
3
さすが銀座のクラブのママって感じです。野球選手との絡みが妙にリアル。著者のキャラがたちすぎてしまっているともいえますな。表題作と老梅で、直木賞受賞作。2012/12/10