文春文庫
怒涛のごとく〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167370220
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

1644年、遂に明は滅亡した。明に渡り、科挙に合格した鄭成功は、明に対する忠誠心により亡命皇帝から国姓爺と呼ばれる。父に替わり鄭一族を率いる成功は、抗清復明の旗をかかげ、南京奪回を目指すも失敗、果して明滅亡は天意なのか?あくまでも清に屈しない成功は、本拠地を台湾に移し戦い続ける。

著者等紹介

白石一郎[シライシイチロウ]
昭和6(1931)年、釜山に生れる。早稲田大学卒業。62年、「海狼伝」で第97回直木賞を受賞。平成4年、「戦鬼たちの海」で第5回柴田錬三郎賞を受賞。11年、「怒涛のごとく」で第33回吉川英治文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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TheWho

11
下巻に入り鄭成功は科挙に合格、国姓爺と呼ばれる程の出世をするが、明朝は滅亡し、父鄭芝龍との対立、別離そして、父と母の惨殺をへて明朝復興の孤独な戦いを続けていく。その孤独な戦いの中で、南京奪回の失敗により追い詰められ台湾に根拠地を変えながらも「抗清復明」の大義の元39歳の若さで峻烈な生涯を終える結であった。世は寛永の鎖国令で国を閉ざし眠りに入った故国と比して縦横無尽にか駆け巡った鄭成功親子の劇的な生涯を堪能できる秀作です。2015/12/15

まさげ

6
下巻は鄭成功を中心に描かれていました。台湾をオランダから解放した英雄伝と思っていましたが、苦悩の連続、最期は・・・・。個人的に、このような上司に仕えるのは厳しいかも。2019/09/30

カモノハシZOO 

5
あわれなり、国姓爺。しかし興味深い、他の作者の作品で鄭成功を読みたいと思います。 2019/04/07

熱東風(あちこち)

2
鄭成功と台湾の関係を知りたくて読み進めたのだが、実は鄭成功が台湾に上陸して僅か一年後に死没してしまったことを、不明なことに本書を読んで改めて気づいた。もっとも、だからと言って面白くなかったというわけではないが、全般的に重苦しい雰囲気を感じ、読んでいくのが辛くなっていった。結局、鄭成功は世間知らずのお坊ちゃんで学者肌の石頭、理想を貫こうとすることに意を注ぐあまり、清濁併せ呑むという度量を持ち合わせていないが故の挫折続きだったように思う。それでも今なお台湾では英雄扱いされているのはさすがとも言うべきか。2016/12/17

saladin

1
下巻はいよいよ鄭成功が大活躍!……かと思っているとそうでもない。父・芝竜が清に投降した後の鄭氏軍団をまとめ上げ、父の代より以上の勢力を誇るものの、”抗清復明”の旗の下、兵員17万5千、艦船290隻という大軍容での南京攻略戦は大惨敗に終わってしまう。その後の台湾攻略は清の”遷界令”に対する苦肉の策といったような位置づけで…。人物としても機を見るに敏な芝竜の方が魅力的。成功の融通が効かず、短気で癇癪持ちの性格は共感を得るのが難しかろう。それが清廉潔白さに繋がっている描写がもっとあればよかったかもしれない。2018/09/22

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