文春文庫<br> 切腹

文春文庫
切腹

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167370169
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

文化五年、英国軍艦が鎖国下の長崎に入港、食糧、薪水を獲得して去った。この事件が国辱ということで長崎奉行は非業の死を遂げた

内容説明

文化5(1808)年、英国軍艦フェートン号が三色のオランダ国旗をマストからおろし、ユニオンジャックの英国旗を掲げて鎖国下の長崎に入港、三日後には要求した全ての食糧、薪水を獲得して引き揚げた。この国辱的事件の責任をとって切腹した、時の長崎奉行松平康平の無念の最期を描いた「切腹」など異色作三篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けいた@読書中はお静かに

33
入院している病院の本。初めて読む作家。『切腹』はフェートン号事件を題材にした作品で、この事件をきっかけに鍋島藩の近代化が始まったりしているので、時代のうねりの序章という感じ。『朱印船の花嫁』は『切腹』とは逆に鎖国が始まる時代の話。歴史の表舞台には名前は出てこないけど、時代を懸命に生きた人の物語って好きです。初めて読む作家さんでしたが、海を舞台にした作品が多いみたいです。最初思ってた以上に楽しめました。海っていいなー!2015/12/21

糜竺(びじく)

22
海を舞台にした歴史小説をたくさん書かれている直木賞作家の白石一郎氏の作品です。海にまつわる短編が3つ収められており、面白く読めました。やはり興味深かったのは表題にもなっている「切腹」ではないでしょうか。鎖国下の長崎に英国軍艦がやってきて、食糧や薪水などを要求しにやってきて、日本側が大いに右往左往します。この事件で長崎奉行が責任とって非業の死を遂げるんですが、そんな事件があったとは全然知りませんでした。この事件が後々、激動の幕末への布石になったようです。また、白石氏の小説を読んでみたいです!2013/08/27

jima

18
短編3作。切腹は1808年、英国軍艦フェートン号が鎖国下の長崎に入港、三日後には要求した全ての食糧、薪水を獲得して引き揚げ、事件の責任を長崎奉行松平康平が。2019/11/13

TheWho

11
海を題材にした歴史小説家あ描く、歴史中編物語。文化5年(1808年)鎖国体制下の日本の長崎港で起きたイギリス軍艦侵入事件、所謂フェートン号事件の顛末で、時の長崎奉行が責任をとって切腹をした表題を皮切りに、日本の大航海時代の終焉に安南(ベトナム)から来日した花嫁の生涯、そして後に著者が長編で描く、日中混血児で民末の英雄と呼ばれる鄭成功の生涯など3つの物語。特に表題は、その後の欧米列強の圧迫に狼狽する幕末史にも繋がり、かつ共に海からみた日本の隠れた歴史を刳り出す著者真骨頂の物語です。2015/08/31

8
鎖国政策前後の長崎を拠点にした、史実に基づいた3編。日本人という特異な人種を、他国がどう見ているのか。正直、3編通して明るい気持ちで読めるものではなかった。理解は出来るが悔しい。表題作の「切腹」侍のイヤらしさと静謐さが胸に刺さる。文体は下手をすると記録文書の様な簡潔さだが、英国海軍大尉の手記で締める所など、気持ちが一瞬で泡立つ。文章に色がある。七三眼鏡に淡々と弄ばれている様な読感。癖になりそう。2017/03/05

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