出版社内容情報
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父のマゴーチと宿命的な対決をする。海に生きる男たちの夢とロマンを描く長篇
内容説明
海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は、海賊船黄丸の船大将となつてシャムを舞台に活躍する。バンコクは明国の海賊マゴーチの本拠地。マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟を殺したことから、親子の宿命的な対決となる。海に生きる男たちの夢とロマンを描いた直木賞受賞作『海狼説』の続篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
63
今まで白石一郎をなんで読まなかったんだろうと後悔してます。前作「海狼伝」の続編となった「海王伝」新たな仲間も加わり小金吾の意志を汲み南海へと黄金丸は滑り出す。明国の海賊との闘い、お晴がいるのに異国での恋に、巡り合った異母弟、そして白龍王となってしまった父。まさに冒険物語の定石!あぁ牛太郎!何故に3作目を書かずに逝ってしまったのか悲しすぎる。今年はこのまま白石一郎読み続ける所存です。「し」は司馬遼太郎、柴田錬三郎ときて白石一郎だわ!2019/06/09
はにこ
40
小金吾亡きあとの小金丸。牛之助から始まるので、海狼伝の続編だよね?と思ったが、ちゃんと?小金丸にお仲間入り。今回は沖縄からさらにタイまで遠征。この頃のタイって全然知らなかったので勉強になった。父や義弟との出会い。激しい戦いだった。描写がイキイキとしていて臨場感がすごかった。本当はこの後の物語も想定していたのだろうか。明に渡った笛太郎達が見たかった。2023/10/06
TheWho
15
直木賞作品である前読「海狼伝」の続編。村上海賊衆として頭角を表した主人公が、亡き船大将の志を継ぎ南海へと飛雄する戦国末期の海洋冒険絵巻。舞台は、玄界灘や瀬戸内の海から、紀州沖、琉球、そして東南アジアのシャム(タイ)へと展開していく。正に戦国末期の山田長政や呂宋助左衛門らの史実に代表される日本の大航海時代を、描写していると思われた。物語は、主人公の弟や父親との確執的な展開を交えながら、登場人物の成長物語にも似た爽やかな印象が持てる一冊です。2015/01/11
しーふぉ
13
海狼伝があまりに面白かったので、急いで続編を読む。物語は外海へ。父との因縁がつきまとう。まだまだ続きそうな終わり方に期待してしまう。2018/05/12
pio
11
海狼伝の続編。読み終えました。 前作に続き大変面白かったです。が、最後の親子の対決になってから妙に物語が軽くなっていった感じが…。伝説の父親の態度も「ええっ??」っという感想でした。更なる続編を予定していたのでしょうか、終わり方も中途半端で何かすっきりしない気がしました。2021/08/16