文春文庫<br> 長崎ぎやまん波止場―若杉清吉捕物控

文春文庫
長崎ぎやまん波止場―若杉清吉捕物控

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 330p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167370060
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

オランダ人殺し、奉行所同心の手先の殺害、女の無宿人の水死、捕り物上手の長崎本博多町乙名清吉の活躍で三事件は見事に解決する

内容説明

長崎の出島でオランダ商館の簿記役が殺された。事件の容疑者は、オランダ人との混血の若者。長崎本博多町乙名の若杉清吉は42歳、捕物名人として知られている。オランダ人殺しのほかに、奉行所同心の手先の殺害、女無宿人の水死事件など見事に解決する。長崎を舞台に活躍する町人の捕物名人を描く長篇捕物帖。

目次

遙かな国の父
水神の秘密
おんな無宿

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TheWho

18
江戸時代自治制度を守る長崎で、世襲役目の乙名頭取を務める主人公の若杉清吉が遭遇する事件を海を題材にした歴史小説家が描く時代小説。出島で起こったオランダ人刺殺事件、容疑者のオランダ人混血児の無実に隠された真相。隠れキリシタンが絡んだ殺人事件。打ち上がった女の水死体が、21年前に打首獄門になった人妻であったと云う事実に隠された過去の事件の顛末等、主人公の推理が冴える3編の捕物帖。3編共に異国情緒溢れ、そして江戸期の中で特別な存在の長崎が強調されている。江戸期長崎庶民の情感溢れる一冊です。2016/03/12

しん君

6
長崎関連本。大浦慶を描いた『天翔ける女』と同じ著者。出島や潜伏キリシタンなど長崎を知り尽くしているだけあって、特異な地ならではの捕物帖三話。時代小説のミステリー版に人情や風土をうまく絡めてある。天領長崎に赴任した役人相手に一歩も怯まず穏便に事を進め、冴え渡る推理力と人望厚い乙名頭取若杉清吉の活躍が読みどころ。三十数年前の作品だが色あせず面白い。当時の自治制度など新たな発見もあった。2020/09/12

しんのすけ

2
素直によかったと思う。特に『おんな無宿』は人の情けが身に沁みた。世の中、得か損かでまわっているように思うが損得を抜きにした人情ある行動に心が洗われるようだった。言葉も地元長崎の言い回しで身近に感じた。2025/04/10

fuji

2
この作者のは最近読んだ「秘剣」という小説があった。初めての方だったが読後感が良かった。で、本屋でこの作者の名前を見つけて読んでみた。 “若杉清吉捕り物控”三篇。読後感の良さは主人公の持つ温かな人情味から来るもののようだった。鋭い直感と推理で長崎出島の事件に立ち向かう主人公・清吉。幕府役人ではなく町方頭取という立場が微妙に効いてくる。2014/10/15

ヨシ

1
特に良かった第3話。解き明かされる真実に心拍数が高まり涙溢れ出す。益々白石一郎に心酔する。2019/07/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/488353
  • ご注意事項

最近チェックした商品