出版社内容情報
海軍はなぜ開戦を阻止できなかったか?五人の海相の資質、彼らを生んだ教育システムと人事制度を通して、帝国海軍の組識的欠陥と指導者の条件を改めて問う労作
内容説明
海軍はなぜ開戦を阻止できなかったのか?なぜ陸軍の暴走に歯止めをかけられなかったのか?開戦直前から海軍大臣の職にあった永野修身、米内光政、吉田善吾、及川古志郎、嶋田繁太郎の個人的資質、また彼らを育んだ海軍教育と人事に欠陥はなかったのか?元軍令部参謀が破局への過程を分析しつつ、改めて問う指導者の条件。
目次
序章 五人の人間像
第1章 永野修身
(二・二六事件;満州事変;永野の登場;軍部大臣現役制;日独防共協定;永野人事)
第2章 米内光政
(蘆溝橋の銃声;上海事変―日華事変;オレンジ計画;三国同盟問題)
第3章 吉田善吾
(米内内閣への期待;アメリカの対日不信;近衛公に大命降下)
第4章 及川古志郎
(日独伊三国同盟締結へ;暗号解読さる;日米交渉;日蘭交渉;第一委員会;日ソ中立条約締結;野村―ハル会談;独ソ開戦;など波風のたちさわぐらむ;日米交渉の完敗;総理に一任)
第5章 嶋田繁太郎(白紙還元;「12月初頭開戦」を決意;ハル・ノート;ニイタカヤマノボレ1208)