出版社内容情報
セックスより自慰を好む男、ホモ、SMを経て性欲を失ってしまった先端技術者─文明は人類から牡の機能を奪おうとしているのか?
内容説明
先端技術産業の技術者に性の異常者がふえてきている。勃起はしても射精できない若い夫、女装趣味、同性愛、スワッピング。そして、その結果としてのさまざまな形の妻の浮気、離婚―。技術文明と性生活の間には、まだ解明されない深い関係があるのだ。性の現場を通じて文明の行方を探る、意慾的ルポルタージュ。
目次
第1部 飽食時代の性(セックス)
第2部 藤村美葉の場合
第3部 蝕まれるコンピュータ・エンジニアの性
第4部 ピーターパン・セックス症候群
第5部 飽食の性を科学する
第6部 中高年の性的冒険
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
39
2014.01.19(01/19)(再読)田原総一朗著。 01/18 (解説=小田晋) 人間とは何か-人間とは他の人間に興味を持ち、人間とは何か、などと考える生物とでもいうことになるのだろうか。 人類の持つ知の体系は、(1)かつて呪術に始まり、(2)宗教、哲学、(3)さらには、心理学、医学、社会学と分化の道をたどる、(4)そのあげく、今日の専門化した人間諸科学の各領域は言ってみれば群盲が象をなでるに近いもの。 2014/01/19
i-miya
7
自然と社会の関わりの中である人間像を典型として浮かび上らせることが困難となっている。 現代文学はトータルな「世界の中の人間」を典型として描きだすという十九世紀リアリズム文学の問題意識を持ち続けているわけではない。 人間の在り方、他との引き比べの欲求はなくなってはおらず、その担い手は-ジャーナリズムが果たす。 トルーマン・カポーティ、佐木隆三、コリン・ウィルソン。 わが国、この手法のフロンティア・ランナーは、田原総一朗、立花隆、柳田邦男ということになろう。