内容説明
西洋人の社交界というものを、かねて私は知りたいと思っていた。それは西様人の会話やスピーチには、機知と諧謔があふれていて、日本人にはそれが全くないと聞いて私は育ったからである―「『社交界』たいがい」や明治の書生の面影を残していた記者の憶い出を綴った「生涯一記者」など、名エッセイの数々。
目次
オカネガアリマス
21世紀は来ないだろう
死ぬのだい好き
情報化時代というけれど
山田正吾
冷蔵庫革命
アカと言うよりほかはない
ファンレター抄
惣菜料理三百六十五日
21世紀は来ないだろう(再び)〔ほか〕
著者等紹介
山本夏彦[ヤマモトナツヒコ]
大正4(1915)年、東京下谷根岸に生れる。24歳のとき名作「年を歴た鰐の話」の翻訳を『中央公論』に発表。戦後『室内』を創刊、今日に至る。同誌に「日常茶飯事」、『文芸春秋』に「愚図の大いそがし」、『諸君!』に「笑わぬでもなし」、『週刊新潮』に「夏彦の写真コラム」を連載中。昭和59年に菊池寛賞を、平成2年に「無想庵物語」(文芸春秋)で読売文学賞を受賞した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
15
世の中というものがどれだけ虚位を必要とするか、偽善を必要とするか。そのことを東西の小説戯曲のなかから拾い集めた社交界を使って語る表題作。『論より証拠というけれど、この世は証拠より論なのである。いかなる証拠をあげても大虐殺なかった派はあった派を降参させることはできない。話し合いはできないのである。』昔の人は偉いなと思います。これがなかった派、保守派の人間ですよ。今の安直な愛国者もどきたちとはまるで違います。2019/05/03
あまたあるほし
2
同じことの繰り返しも多いけど、今でも通じる内容もたくさん。機械と人間の関係など、すでに見抜いている。2017/10/29
うりぼう
1
「社交界」よ、たいがいにしろってこと?山本さんの辛口エッセイ好きです。2003/06/26
xtc1961ymo
0
久々に山本夏彦さんのエッセイを味わう、何度読んでも一つの事をのみ言い募っていると言えば怒るだろうか?健康な人は本を読まない。そもそも本を必要としない、ああ健康とは厭な物である。これだけで分かる人には電光のように分かるであろう。 また 何用あって月世界へ―月は眺める物である 等々 夏彦さん、この世のことは笑うより他有りませんね 私もいずれそちらの世界に往きますがそれまではしばし愚図の大いそがしです。2012/04/08
shiaruvy
0
ギリギリ最低限の文章で字間を読まなければならない。たまに?となってしまった。人名調べて読むとわかり易いかな。2011/05/21