文春文庫
魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 375p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167348175
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

多彩で心打つ小説を次々に紡ぎ出してきた宮本輝氏。その宮本氏自身が、かつて愛読し魂を揺さぶられた短篇小説の名作を選んで編んだ読者の皆さんへの「物語の贈り物」。吉行淳之介、川端康成、武田泰淳、永井荷風らの、意外な作品も含む16篇を収録。文春文庫創刊30周年記念企画。

著者等紹介

宮本輝[ミヤモトテル]
昭和22(1947)年、兵庫県に生れる。追手門学院大学文学部卒業。52年、「泥の河」で第13回太宰治賞を、翌53年、「蛍川」で第78回芥川龍之介賞を受賞。さらに62年、「優駿」で第21回吉川英治文学賞を受ける
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字の旅遊人

49
北前船関連で堀田善衛「鶴のいた庭」が読みたくて手にした。最盛期を過ぎた廻船問屋の話であり、とても良かった。他15作が宮本輝氏により選ばれている。川端康成がうち2作。「片腕」に川端康成のフェチぶりを存分に感じることができ、共感はできないが好感を持つに至る。自分にビビッと来る話、あるもんだなあ。尾崎一雄「虫のいろいろ」はさすが志賀直哉を目指している感が強い。泉鏡花「外科室」も印象深い。宮本輝自身のあとがきは、小説の魅力を語る良い文章だな、と思った。氏は永井荷風「ひかげの花」がイチオシのようだった。2021/07/15

ピロ麻呂

35
昭和初期の作品が多くて難しい…川端康成「片腕」は既読済み。「蜜柑」が良かったなぁ😊2021/02/07

くろすけ

23
宮本輝が選んだ日本の名作短編集。どの作品も鮮烈で、日本語の美しさを堪能した。中でも川端康成の凄まじい力になぎ倒され踊子や雪国だけで読んだ気になってた自分を慚じる。 ○「片腕」泰山木の花の露のようなエロティシズムそして狂気を帯びたフェティシズム。頁を繰るたびことばの瑞々しさと紡ぎだされるイメージの生々しさに何度も息が止まった。どこからこんな表現が出て来るのかこの圧倒的な力は翻訳で伝わるのか。 ○「有難う」こちらは秋の色彩豊かな温かい名画。言葉で絵画を描きながら同時に音楽を奏でているよう。ただただ溜息。2014/11/16

佐島楓

22
泉鏡花氏、川端康成氏、吉行淳之介氏の作品は既読。蜘蛛をモチーフにした作品が二編(水上勉氏「太市」、尾崎一雄氏「虫のいろいろ」)。いずれも蜘蛛の得体の知れなさがよく出ている。旧仮名遣いのものはそのまま収録されているのと、ようやく樋口一葉(「わかれ道」)が読めたのがよかった。宮本さんの編まれたアンソロジーということで、好みが垣間見られる。2013/04/13

galoisbaobab

19
ひとつひとつの物語に感想を書くべきなのだが到底255文字に収まらない。宮本輝が選ぶ日本文学短編集。素晴らしい文章を残してくれた先人たち、有難う。どんな時代になってもどんなに価値観が変わってしまっても思い出せるコトが残されているってコトに希望を感じます。一番ふるえたのは川端康成の「有難う」だね。2017/06/12

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