文春文庫<br> 遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年

文春文庫
遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167340025
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0123

出版社内容情報

戦後民主教育の金字塔とうたわれた「山びこ学校」の主人公たちの"その後"を追跡。あわせて教育の原点を問いかけた感動の人生ドラマ

内容説明

『山びこ学校』は昭和26年に出版されるやベストセラーになり、子供たちは戦後民主主義教育の申し子と讃えられた。それから40年後―青年教師・無着成恭は山を去り、東京へ。教え子たちもまた村を捨て都会に出た者、亡びゆく農業に殉ずる者、会社を興した者…1プラス43が懸命に生きた軌跡を追った感動のルポ。

目次

第1章 「そらはら」の子供たち
第2章 ジャーナリスト人脈
第3章 「母の死とその後」
第4章 檀那寺の跡とり
第5章 翻弄される山村
第6章 素足の卒業式
第7章 幻の「きかんしゃ」発掘
第8章 谷間の英雄
第9章 村からの追放
第10章 都会に出た十一人
第11章 江一の沈黙
第12章 藤三郎の闘い
第13章 明星の無着成恭

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fseigojp

19
綴り方に特化した教育であるが、その弊害(理数系の基礎を教えなかった)は明瞭 経済的に高等教育が受けられない子供には、劇薬的2015/09/20

荒野の狼

1
特筆すべきは、山びこの中の名作“母の死とその後”の著者である江口江一の生涯の記録。“母の死,,”の文部大臣賞授賞式で貧しさのために学友から学生服を借りざるを得ず、同時受賞した小学3年生より体格が劣っていたという中学3年生の時から、後には“母の死,,”から得た名声を厭い絶筆しつつも人間的に成長し、村のために自らの健康を犠牲にして生きる姿勢は、雨ニモマケズの宮澤賢治あるいは賢治の作品のグスコーブドリを思わせ感動的。その31歳の生涯を終えるまで、村の植林に命を捧げる姿は、山びこ学校の教育の結晶といえる。2010/04/23

ライス

1
山びこ学校は確かにあの時代の生徒の当時の生活状況の中で、無着が苦悩しながらも情熱を傾け一人一人の成長に付き添う奇跡の教育だった。生徒に生活を認識させ活路を見出す為にひたすら作文を書くという授業では、農業以外の道を進む上では明らかに教育としては足りない。奇跡の教育を受けた生徒のその後を辿ることは、その教育が正しかったかどうかを証明するようなものであるが、教育は一時の授業に依るのではなく先生のその後の行動や評判によって、後の生徒の中に残す奇跡の教育の影響も、無着の評判と供に悪くなってった気もした。2013/02/03

マウンテンゴリラ

1
種本である『山びこ学校』に感動し、そこに掲載された作文の作者である生徒たちのその後を知りたいという思いから本書を手にした。多少興味本位なところはあったが、『山びこ』後の生徒たちの人生に対して新たに深い感動と感慨を覚えた。山びこ学校の生徒たちということが彼らの社会的立場を有利にすることは殆どなかったようだが、それは、彼ら自身も決して望んでいたことではなく、生徒たちが変わらぬ貧しい生活の中でも自ら考えること、仲間と連携すること等の価値を身につけ、よりよい生活を築く上での糧を得たのだと確信することができた。2011/01/25

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