内容説明
さて!?どれに乗ろう。世界の列車を乗りまくる、マニア垂涎のエッセイ。―十余年ぶりに訪れた台湾で、「自強号」「復興号」そして普通列車と乗り、ハノイからホーチミンまで約1700キロの二泊三日寝台列車の旅。世界の豪華列車No.1といわれる南アフリカ「ブルートレイン」やブラジル、マレー半島の旅を収録。
目次
台湾一周、全線開通―台北‐花蓮‐台東‐高雄‐台中‐新竹
ヴェトナム縦断列車、二泊三日―ハノイ‐ホーチミン市(サイゴン)‐クチ
豪華列車はケープタウン行―ヨハネスブルグ‐キンバリー‐ケープタウン‐喜望峰
ブラジル・ツアー日誌―サンパウロ‐マナウス‐ブラジリア‐イグアスの滝‐ブエノスアイレス‐リオのカーニバル
マレー半島のE&O急行―シンガポール‐バターワース‐ペナン島‐クワイ川‐バンコク
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
大正15(1926)年、埼玉県川越市に生れ、東京で育つ。昭和26年東京大学文学部西洋史学科卒業。「中央公論」編集長、編集局長、開発室長、常務取締役を経て、53年同社退社。52年、国鉄全線完乗。主な著書「時刻表2万キロ」(第5回日本ノンフィクション賞・第9回新評賞受賞)、「時刻表昭和史」(第6回交通図書賞受賞)、「殺意の風景」(第13回泉鏡花文学賞受賞)など。60年、交通文化賞受賞
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
112
「台湾一周」、「ヴェトナム縦断」、「南ア豪華列車」、「マレー半島E&O」、(ブラジルツアー)を収録。最初の2つの鉄路旅は、これまでとほぼ同様の宮脇スタイル。旅の方法も、添乗者を付けること以外は概ねオーソドックス。一方、後半の2つは、随分と豪華なもの。鉄道好きとしては、やや複雑な気分になる。それは乗ってみたいけれど、これってやっぱり鉄道旅なんだろうかと。南アの豪華列車は1泊2日、3食の食事と、お酒もついて76,000円。マレー半島E&Oは、2泊3日食事付きで200,000円。どちらかを選ぶなら、南アかな。2014/03/21
えみ
55
ずいぶん贅沢な旅をしているなぁ。という嫉み僻み感情がまず先に来てしまう嫌な性格な私を許して!格差社会の現状をまざまざと見せつけられた感にモヤモヤは残ったものの、行ったことのない国で見たこともない景色に乗ったことのない豪華列車、現地の食べ物、未知の体験、全てが物珍しさと異国の雰囲気にワクワクさせてもらい、知識を授けてもらった旅行記。ノンフィクション作家が旅行記を書くと全てが削ぎ落され、結果こうなるのか!という興味もあった。著者は国鉄全線完乗しているという強者。今度読むならば本気の鉄道旅をじっくり堪能したい。2022/06/12
さっと
5
台湾、ベトナム、南アフリカ、マレー半島など、鉄道もとめて世界各地を転々。晩年に書かれたものだけに、あとがきの、「治安のわるい国が多くなっており、私は一人旅の自信がなかった」ため、多くに編集部が同行し、「そのおかげで安穏無事に贅沢な旅をしたが、緊張感のない旅行記になったとも思う」という吐露は胸を打つ。鉄道趣味に生きながら、どこまでも、ストイックな人だ。2012/06/16
のぞみ
3
宮脇さんの海外鉄道ものを読む時は、現地のガイドさんが教えてくれる、その国の本当の実情を知れるのが興味深い。数々の豪華列車の中で「小市民な日本人」の代表のような宮脇さんの姿が好き。今も、ニュースで『豪華列車』の運行を目にすると、きっと宮脇さんもお乗りになりたかったろうなと思う。2017/06/22
rasty
2
鉄道新時代になって、豪華列車や観光列車が走るようになってからの乗車記。宮脇氏がご存命ならば、“九州新幹線”や“はやて”、そして“ななつぼし”などの乗車記も是非読んでみたかったと思います。2013/12/15