出版社内容情報
眩い光、暗いトンネル、亡き人々との再会──死に臨んで人が体験する不思議なイメージの世界を極限まで追究。大反響を呼んだ大著
内容説明
科学はどこまで臨死体験の核心に迫りうるのか。生物学者や神経学者は、様々な実験や仮説によってそのメカニズムの解明に挑み、成果をあげてきた。しかし、なお謎は残る。蘇生した人々はなぜ、本来、知るはずのない事実を知ってしまうのだろうか…。構想、取材、執筆に五年。発表と同時に大反響を呼んだ著者渾身の大著。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
91
臨死体験とは何か。かつてNHKで放映され20年余りが過ぎた2015年、立花隆は再びそれに対峙した。自身が癌を患い死を意識するに至っても、そのスタンスは変わらない。医療者の端くれとして、それが脳内機序によるという説には同意する。ただ、一方では科学が解明できないことはあり、それで良いとも思う。優しく彩られた彼岸で、愛する存在に抱かれる眠りは、世界の円環にあり永遠と呼ぶにふさわしい。人という存在の終わりには、それが何であれ、寿がれるべきであろうし、逝く者の安らぎこそが、残された者への慰めになるのではあるまいか。2017/05/09
キューポップ
51
【過去本再読→登録】★ソマディ・タンク(外界を遮断し硫酸マグネシウムを張ったタンク)絶対体験したい!John Lennon、私の記憶ではMichael Jacksonも私有していたはず。絶大なる心身疲労回復効果。不思議体験。★水晶玉瞑想。静かな湖面等透明度が高い物。★ストレス除去にアイマスク&耳栓(怖くない昼間に試すか)。 /私は体外離脱体験肯定派だし昔から超心理学には多大な関心を持つ。現実体験説VS脳内現象説のどちらにも偏向しない立花氏の筆致が活きた本著を読めて良かった。2019/09/09
AICHAN
42
図書館本。臨死体験で不思議なのは、国が違っても、死に瀕すると暗いトンネルを通って自分の意識が抜け出て、自分の肉体の上の空間から自分の肉体とそれを取り巻く親族や医者などの姿を見ること(体外離脱)。そのときは実に気持ちが良くて苦しみなんてまるでない。全部ではないがそういう共通点がある。また、光いっぱいのお花畑に出ることも多くの臨死体験者が語ること。さらには行きたいと思ったところに瞬間移動できてしまうこともある。このような共通点があることから、これらの臨死体験は嘘や妄想などではないだろう。では何なのか?2018/05/02
James Hayashi
34
臨死体験というコアな体験は世界共通といえるようだが、文化的背景の違いにより表現の仕方が異なってくるよう。多くの体験例を引きながら、脳内現象なのか現実なのかを見極めようと試みているが、まだよく分かっていない。しかし体験者は死に対して肯定的になっており有意義である。これは科学や宗教を超えている。未来には生命科学が多少解き明かすことであろう。2018/06/11
chanvesa
33
数多くの類例を積み重ね書かれていた内容が、最後の数十頁でトリックを明かされるように、その原因が述べられる。でも良かった。私もそう思っていた内容だったから。睡眠は死の練習ということを読んだことがあるが、もう帰って来られないと思ったら恐ろしくて眠れない。数年前に死んだ義父は晩年の病床でずっと起きて目を開けていた。だが、立花隆が数多く見聞きした経験は「怖くなかった」という感想なのだ。そう思おう。そして、その時には、この手の話で信じている虹の橋のたもとに、先に行って待っているネコに会えると信じて。2021/10/24