出版社内容情報
京都のニラミダイ、パリジャンの日常食、エジプトの鳩料理、沖縄の豚等々、ユニークな視点から考察した機智溢れる食エッセイ8篇
内容説明
美食の国の貴族から乞食までの食生活の実態を探った「パリジャンは毎日なにを食べているか」。焼いた鯛を食べずに眺め続ける京都の正月の奇習に挑んだ「ニラミ鯛の研究」。その他、エジプトのハト料理、カリフォルニア・ワイン等々、日本及び世界各地を旅して、食べて、考えた、抜群に面白い、知的な食文明紀行エッセイ集。
目次
ニラミダイの研究
貴族から乞食までパリジャンは毎日なにを食べているのか
ハトを撃つ男
中国に人参の祖先を探しに行く
カリフォルニアのワインメーカーたちは、今
いまアメリカでもっとも哀れな体重の不自由な人々の物語
沖縄歳末豚之声
ラーメンとマダガスカルのキツネザルに関する九つの断章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
5
【後日追記】こんな本を10数年前に書いていたんだなぁ。今のグルメブームのはるか前に日本の郷土料理を食べ比べて、しかも立派な文化論にもなっている。2008/06/18
ミカママ
5
食エッセイの第一人者、玉村さんのバブルのころのエッセイ。著者ならではの食への好奇心がむきだしでおもしろい。おいしいもの食べたくなった~。2011/07/03
りもこ
4
最近また玉村さんの昔のエッセイを読み返すのがマイブーム。過去に何度も読んでいる本でも読む度になるほど、と思える点が変わり飽きない。人参のルーツ探しの話が読みたくて今回は手に取ったが、アメリカの肥満の話が今の自分にはムムム…と来るポイントだった(汗) とても30年近く前に書かれた本とは思えない。またそのうち再読する時は自分が何に反応するのか楽しみ。2015/09/13
Yasomi Mori
3
レヴィ=ストロースの「料理の三角形」概念を拡張した「料理の四面体」で知られる著者の食エッセイ集。抜群に面白い。フランス人のグルメへのこだわりはストイックなまでの単調な食生活に支えられているとか、ハトをめぐる思想対立――ハト=平和の象徴であり「聖なるモノは愛するだけにしましょ」とするキリスト教圏と、「聖なるモノこそ食うべし」という大義名分のもと、貴重なタンパク源かつステータス・シンボルである鳩を食う、キリスト教以前の思想圏・エジプト――の話、世にあふれる「健康的ニセもの」としてのダイエット食品、…2016/02/11
emi
3
1988年の本。なるとのルーツなどに思いを馳せ各地に行ったり、パリの元貴族やホームレスの食事をレポートしたりと愉しいエッセイ。パリ人の食が意外と質素なことに、イメージと違いビックリ。改めて日本の食文化、現在の食生活が豊かなのか、グルメって何だろうと考えさせられます。以前知人がグルメとグルマンは違う、食べ物の好き嫌いは多少あっても仕方がないが、例えばウニを食べる事を発見した人であるとか、見た目で判断していたら食文化など存在しないのだと言っていた事を思い出した。食は欲求であり、探求心がありより愉しくなる。2012/02/25
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