出版社内容情報
柳生の分家の生れながら、幼少より剣の道に励み、剣豪とはやされた柳生又右衛門をして、剣の鬼神と恐れさせた兵庫助の諸国への旅
内容説明
将軍指南役である又右衛門宗矩をして「柳生の血筋にも二人とは出ぬ麒麟児、剣の鬼神」と舌を巻かせた兵介の剣技はますます冴えたが、兵介を倒さんとする武芸者も次々と兵介の前に立ちはだかった。山賊の首領根岸矢柄からも執拗な襲撃を受けるが、伊賀忍者で兵介の妻ともいうべき千世の助勢で矢柄を倒し、廻国修業の旅が続く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
9
いよいよ兵庫の回国修行が始まりました。いやはや、とにかく止まらない。2019/02/26
AICHAN
3
「直(すぐ)立ちたる構え」という表現を見て、この四百年で日本語も進歩したものだと思った。剣術の技術的な面での兵庫助のその着眼は彼の独創性を示す。小説的には伝奇小説めいてきて、吉川英治の「宮本武蔵」と比べてしまう。「宮本武蔵」では「お通」が1人で旅を続けるが当時の世相では危険極まりなく不自然だとかねてから思っていた。それに比べて津本さんは実証性に重きを置いているからその点は伝奇小説としても優れている。剣闘の描写も著者が剣道家だから見事で剣術小説としても高得点。でも吉川「武蔵」のハラハラ感にはちょいと負ける。2011/03/29
たけひろ
2
☆☆☆.52020/05/26
Noboru Sugiyama
2
根岸矢柄はもうすこし頑張るのかと思っていたが、早々に退場してしまいましたね。歴史小説の面白い所は史実とフィクションの配分だと思うので、このキャラをどう活かすのかが楽しみだった分「惜しい人を亡くしました」という感じです。五郎右衛門の死は、この巻のクライマックスといった所でしょうか。史実によると、この内紛により讒言した赤井清十郎は切腹を申し渡されているが、一忠はお咎めなしとのこと。なんか解せない(^^;2018/08/31
えびえび
0
宗矩くんがだんだん黒くなってきました。剣豪のエピソードたくさん挿入されてるので、他作品を読んだりしてると楽しいかも。可児才蔵がでてくるのが面白いです。2013/03/19