出版社内容情報
慶応三年暮、討幕に起ち上ろうとする薩摩藩の腕の立つ探偵方が、裏切り者を追って京で江戸で胸のすく大活躍。恋と剣戟の時代活劇
内容説明
幕末ぎりぎりの慶応3年秋の京。正に倒幕に起ち上ろうとしている薩摩藩にあって、探偵方を勤める伊集院亮助はある時上司が密かに幕府に寝返っているのに気づく。とたんに朋輩が斬られ、彼の身に危険が迫る。激動の時代を背景に京で江戸で、敵を追う亮助の剣が鋭くひらめいて…。恋と剣戟の長篇時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかんべ
7
新人類という言葉自体、時代を感じるな~。亮助の思い出の中にあった、薩摩藩の兵児二才たちの行動や考え方に驚いた。罪人の刑場で人を斬る感覚を味わうため竹矢来の外で待ちうけ、一番手が肝臓を手にする権利を有し、持ち帰るなど。そんな国の当たりまえを亮助は嫌う。2015/08/25
Rodon
0
西郷・大久保・小松というスタープレーヤーと違い、歴史に名を残さなかった薩藩下っ端探偵方の青春的お話。 京・江戸の薩摩藩邸を拠点に、治安悪化目的のテロで、幕府に揺さぶりをかける諜報活動をする主人公。政治的方便として掲げる攘夷に妄信する同輩へ哀れみを感じながら、幕府側へ寝返った上司を追い、武士の美学も忘れない。時代状況の説明を交えて進むので、楽しく読める時代劇エンターテイメントです。薩摩隼人の大酒呑みは有名(伝説)だけれど、本書に出てくる表現、悪酔いした状態を「山芋堀」というのを初めて知った。2012/05/27
けー
0
初めての主人公だった。いつか読んだヤツで名前は出てきたかな・・・っていう人。幕末に影で動いた人ってカンジで、なかなか新鮮な感じがしたねー◎こんな人がいっぱいいたんだろうなぁ。2009/09/30