出版社内容情報
鉄砲と水軍で織田信長に徹底抗戦した紀州雑賀衆。その頭領小谷玄意の三男七郎丸の戦雲の中の熱い青春を見事に描破した歴史長篇!
内容説明
元亀元(1570)年9月、大坂石山の浄土真宗本願寺第11代顕如上人から「身命をかえりみず信長と戦え」という檄文が、紀州雑賀の荘に届いたとき、勇猛できこえた雑賀門徒たちは興奮にわいた。いよいよ織田信長との決戦である。雑賀衆の頭領のひとり小谷玄意の3男七郎丸は、この戦雲のなか熱い青春を送る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エリ
4
雑賀衆の有力者の子、七郎丸の初陣(本願寺vs信長途中)から、信長の紀伊攻めの和睦までのお話。六字とは何ぞ?と思って読み始めたが、南無阿弥陀仏の六字だった。七郎丸が牛楠とともに、雑賀兜をかぶり鉄砲を担いで活躍する。土橋平次や雑賀孫一等、史料にも出てくる人物が次々に登場。地元なので地理がよくわかった。水軍に鉄砲に、設定が素敵すぎる!!戦のシーンが滅茶苦茶カッコいい!!ただ、雑賀衆全員が門徒となっている部分は史実ではないのでは?台詞は全て和歌山弁なので、他地域の読者にはわかりづらいかも。2011/03/04
半兵衛
2
紀州ことばが面白い。話し自体はシンプルで、分かりやすいと思う。匂い立つような合戦の雰囲気が好き。地理を理解していればさらに楽しく読めるか。2012/05/11
さっと
2
「諸国の浄土真宗門徒に、織田信長と戦えというお指図を出されたとき、紀州雑賀の荘の信心ぶかい男たちは興奮に沸きかえった」―織田信長の石山本願寺攻めに徹底抗戦した鉄砲集団・雑賀衆らの姿を描く雄編。鉄砲を熟知し海戦にも長けた雑賀衆の戦場描写、篤い信仰心に支えられた不屈の精神力、日常の和気あいあいとした雰囲気と独特のリズムを醸し出す紀州訛り。こうした特異な集団が群雄割拠の戦国時代をさらにおもしろくしたんだねー。2011/03/10