出版社内容情報
バブルの時代、日本の一投機家に史上最高値で落札されたファン・ゴッホの名画。その百年にわたる数奇な運命を丹念に追った傑作!
内容説明
“ゴッホ名作、日本人企業家が史上最高価格で落札”1990年、こんな見出しが新聞を飾り、「医師ガシェの肖像」は一躍注目を集める。100年間で所有者となった13人は、何を願い何に衝き動かされて「ガシェ」を手にしたのか。1枚の絵画の数奇な運命を丹念に追った異色作。また、ナチによる略奪行為のいきさつが本書ではじめて明らかに。
目次
第1部 「われわれの時代のやるせない表情」
第2部 北ヨーロッパとモダニストの最初のコレクターたち―国際的な前衛画家と市場
第3部 「別の」ドイツ―近代美術、ドイツ・ナショナリズムと近代美術館造り
第4部 近代美術と第三帝国―プロパガンダ、押収、輸出
第5部 戦後―ニューヨーク
第6部 1980年代
第7部 日本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
13
“ゴッホ名作、日本人企業家が史上最高価格で落札”1990年、こんな見出しが新聞を飾り、「医師ガシェの肖像」は一躍注目を集める。100年間で所有者となった13人は、何を願い何に衝き動かされて「ガシェ」を手にしたのか。1枚の絵画の数奇な運命を丹念に追った異色作。また、ナチによる略奪行為のいきさつが本書ではじめて明らかになる。オランダ→フランス→オランダ→デンマーク→ドイツ→アメリカ→日本と作品の流れが印象派絵画への関心と連動していて面白かった。2015/10/14
春ドーナツ
8
本書は「或る作品」の来歴(画家を含めて13名と1組織)を膨大な取材によって明らかにしている。またマーケットの側面にも着目しているのが興味深い(受容の経緯と価格の相関関係)。***刊行後(1998年)の「流転」が気になるので調べてみた。著者の推測通り斎藤家(本書で最後に出てくる実業家の遺族)がサザビーズに売却し、非公開でオーストリア出身のアメリカの投資家が購入するも、2007年1月、彼は破産に追い込まれ、同競売会社に売却した。その後の所在については謎に包まれている(売却され再び個人蔵になった?)。暗部だな。2017/10/18
ゆずこまめ
2
ゴッホも含めた印象派の評価の高まりと共に、どんどん上がる絵の価格。経済や戦争に振り回されて転々とする絵…テーマは面白いはずなのに、文章が退屈です。残念だな。2015/05/01
渋谷英男
0
人名の羅列でさっぱり流れが解らなかった。もっとミステリー風だったら面白いのに。☆12017/09/14
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- 和書
- 會津八一山光集評釈