出版社内容情報
自らを謎に包むことでカルト性を高めた芸術家の毒舌日録短縮版。70年代後半~80年代ニューヨーク通になれる350の注釈は必見!
内容説明
テープ・レコーダー片手に、インタヴューや夜毎のパーティに極積的に顔を出す一方で、“恋人”からの電話を待ちつづけたり、一人自宅でコメディ番組を見て幸せな気分になったりもする。10年間にわたって語られた厖大な言葉からは“ポップ・アートの巨匠”という枠におさまりきれない、たくさんのアンディが浮かびあがってくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
28
アンディ・ウォーホルという人物は、もちろん時代を作った男であることは間違いないのだが、時代を自分のエゴに染めた天才というより時代と同衾した男、時代の有象無象に染まることのできた男(もちろん、決して否定的な意味で言うのではないが)なのではないかと思った。この膨大な日記を読んでいても「俺が俺が」というようなエゴは見られず、その時々に起こることを楽しみ、現象に染まるカメレオンのような男の姿が感じ取れるのだ。そういう才能もあるのだろう。ポップ、ということで言えばこの情報の洪水のような本こそ彼の生み出した芸術では?2020/12/09
uchiyama
2
公爵夫人たちが「スター」へと取ってかわった社交生活の中で、プルーストが「鏡」と書いたような、「無」が照らす批評性を(図らずも本質として)持っているにしろ、他者への容赦ない誹謗と偏見に満ちてもいるこの日記が正当化されるとするなら、それは、初期には「ゲイのガン」と表記されていたエイズの蔓延によって、次々に(ほぼ1行で)書かれる他者の死を経て、最後にはウォーホル自身の死が「書き込まれる」ことを読者は知っているからですが、そんな形でこの「批評」が完遂されることには、やっぱり憂鬱な気持ちにはなります…。2025/09/29
mei55
1
天才だけど意外とどうでもいいことにこだわってたりするところが面白い。 靴下は同じ種類の物を買った方がいいとか。
Hiroyu Nakajima
0
読了2016/04/27
ヤボ
0
★★★★★分厚い文庫二冊組なのに数年に一度は読み返してしまう。なのに、この本のどこに惹かれるのか未だにわからない。とても謎めいた魅力のある本。




