出版社内容情報
マフィアの取り立て屋、無類の映画狂のカラブレーゼはハリウッドへ乗り込み人を欺してはのしあがるが、昔の仲間は忘れてくれない
内容説明
腕は立つがただひとつ、映画好きというのが気にかかる―そう言われていたマフィアの取り立て屋カラブレーゼは、ハリウッドへ乗りこむやメキメキ頭角をあらわす。大プロデューサーになり、撮影所を支配する、この野望のためには手段を選ばない。情熱と冷血―アメリカン・ドリーム実現に最適の資質をもつ彼を阻むものは何。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
7
地方の名士一代記である「警察署長」やホラー「湖底の家」、スパイ物「潜行」などで楽しませてもらったスチュアート・ウッズであるが、こうした初期作品と比べてその後の作品は首を傾げるものが多い。本作はニューヨークのイタリアスラムで育った主人公が生来の映画好きが嵩じてハリウッドでにわかに成功するスタート。エンタメ業界での欺瞞に満ちた成功譚にバイオレンスが加わる。才能はあっても倫理観に乏しいこの男が最後に破綻を迎えるのだが、都合の良いストーリー後、ヤクザと手を組んだ日本人乗っ取り屋が現れて..。頗る気分を悪くさせる。2021/05/02
パカゲニー
1
S ウッズ作品。イタリア系のギャング上がりの青年が成り上がりハリウッドの頂点を極め、滅んでゆくアメリカンドリームの物語。欲望は果てしなく、破滅に向かっているとおもいつつ、読み進めていきました。なかなか良く出来た娯楽作品でした。2019/02/20
tsukasa_oishi
1
スチュアート・ウッズさんの作品はけっこう読んでいるのだけど、読むたびにその作風が違っている。同じような作品はひとつもないのだ。海外の東野圭吾さんか。たぶん、それ以上だと思う。しかもどれも高水準なのだから読者としてはうれしいかぎり。 この作品はそれほど大きな事件が登場しないし、他の作品のように超一級品とまではいかないが、それでもすごくおもしろい。本当にすごい作家さんだなと思う。エンターテインメントにうるさい世の中だけど、私個人的な意見として、エンターテインメント性はこの作品くらいがちょうどいいと思う。2004/05/23