出版社内容情報
キング、クーンツにつぐホラー界の旗手が初めて世に問う短篇集。中篇「ブルー・ワールド」他十二篇のすべてが怖くて面白い傑作だ
内容説明
妻と寝たはずなのに目覚めると隣に骸骨が横たわっているのを発見した男。往年の怪奇俳優の化粧箱に隠されていた秘密。新興別荘地のハロウィーンの命がけの仮装ごっこ。内も外も真っ赤な家に住む不思義な一家。ポルノ・スターに魅入られた若き神父。乗る人を待つばかりのスポーツカーのように軽快なストーリーテリングが絶妙。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざるこ
50
12短編1中編。S・キングに並ぶ作家らしい。それも納得。何がすごいってほとんどの物語が頭の中で鮮やかに映像化される。ちょっと昔のアメリカ映画の趣。パニックもの、ホラー、ファンタジー、SF的なものまでさまざま。帰還兵の悪夢「ミミズ小隊」の臨場感が素晴らしい。迫りくる恐怖が生々しかったり心に残る作品多し。中編の表題作は神父とポルノ女優の恋。ジョンが「おぉ…主よ…」と祈りつつ悶々ムラムラと禁断の領域へ踏み込むさまはメンタル弱すぎて笑えるけど終盤の展開は血が流れてハラハラし通し。ちょっとエロいが結末も爽やかで◎。2020/06/18
しましまこ
22
再読。タイトル作の中編が大好きなんだ。規律と組織に組み込まれた純粋培養の司祭さまが、告解に訪れたセクシーダイナマイトポルノスターに魅せられて…司祭さまが彼女のお告げで魂の友『ラッキー』に!正体を明かせないまま彼女と過ごす間「おおおお主よおおおお主よおお…」心のなかで叫びまくる司祭さまが楽しい。不気味なサイコキラーと司祭さまの妄想と純愛と神様と。ほろ苦く切ないのに爽やかで明るいラスト!名作だよ!!2019/06/02
Satoshi
14
マキャモンの短編12作と長編(タイトル作)1作で構成されたお得な1冊。大変満足できた。短編集では「チコ」「ミミズ小隊」「赤い家」がお気に入り。特に「チコ」はこのアイデアで長編を書いたらいいのに思ってしまった。(マキャモンはスーパーナチュラルな作品は書かないみたい。残念だ)ブルー・ワールドは神父とポルノ女優のユーモラスかつ純粋なラブストーリー。マキャモンがここまでの純愛を描けるのかと驚かされた。読後感も良いし、主人公:ジョンの成長が微笑ましい。流石、キングと並び称せられる作家だけある。2023/05/14
散文の詞
12
-チコ-やたらとゴキブリのことについて書かれているので、変だなって思ってたら、そうか!?って。なかなか面白いです。 -夜はグリーンファルコンを呼ぶ-昔、ヒーローを演じていた男が、老いさらばえていく暮らしの中で、身近に起こる殺人事件の解決に乗り出す。そんな話ですが、関わりになる人物、セリフの言い回し、どれをとってもワクワクドキドキです。 -なにかが通り過ぎていった-最初はわかりにくいんだけど、だんだんとその面白さに引き込まれていった。でも、途中でぷつっと切れてしまう感じで、もうちょっと読みたかったな。 2019/06/29
すけきよ
10
バリエーションに富み、質は粒ぞろいのハズレ無し。「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」は全アメコミ者必読で文句なしにいいのは言うまでもないんだけど、双璧として「キイスケのカゴ」が素晴らしい。マジック・リアリズムの教科書的短篇。表題作は半分近くを占める中篇。パラノーマル要素は皆無なんだけど、この純愛が非常にファンタジック。他に気に入ったのは「針」「そいつがドアをノックする」「チコ」「なにかが通りすぎていった」あたり。御三家ではマキャモンが一番性に合うなぁ。と言っても、キングとクーンツはあまり読んでないんだけど。2013/04/10
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