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文春文庫
「北方領土」上陸記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167298166
  • NDC分類 319.103
  • Cコード C0195

内容説明

戦後半世紀を過ぎてなお、理不尽に奪われたままの土地、北方四島。現地に降り立った著者の目に映ったものは―。旧島民たちの悲痛な望郷の念、現ロシア住民たちの戸惑い。幾度も軌道に乗りながら土壇場で水泡に帰してきた領土返還交渉の歴史を振り返りながら、問題の本質を見つめ風化を防ぐ熱情にあふれたノンフィクション。

目次

第1章 北方領土に上陸
第2章 四島を追われた人々
第3章 九十歳記念の島の私有地訴訟
第4章 日本で最初に返還を唱えた男
第5章 「日ソ共同宣言」の愚
第6章 国連前で返還アピール
第7章 拿捕
第8章 ドラマ仕立ての如き変転
第9章 日ロの戦後は終わっていない

著者等紹介

上坂冬子[カミサカフユコ]
1930年、東京に生まれる。作家、評論家。昭和史・戦後史にまつわるノンフィクションが多い。1993年「硫黄島いまだ玉砕せず」などの言論活動により第41回菊池寛賞、第9回正論大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カツ

5
マッカーサーに陳情書を送っていたり、国連前で返還アピールをしていたなど返還運動の歴史が知れて勉強になった。そもそもソ連はポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約の署名国ではないので北方四島のみならず千島列島と南樺太も不法占拠といえる。「主権を侵された日本としては半世紀過ぎようが一世紀経ようが国家の尊厳をかけていうべきことはいわねばならぬ」正にその通りだと思う。2022/01/06

うたまる

2
「いくらこの島は日本のものだと叫んでみたところで、もはや彼らはビクともすまい。日本の支援や仲良し交流の匙加減でロシア人をなびかせようというのは考えが甘すぎる。むしろ支援をいいことに島の乗っ取りを助長させている気がしてならん。島は永久に日本には帰って来んかもしれんぞ。なぁ、現地を見てそう思わんか?」……ビザなし交流で現地を訪れ、北方領土返還運動を総覧するノンフィクション。結局、善意も正論も同情も何の役にも立たなかった。領土問題を巡る半世紀で学んだことは、意見を通すには今も軍事力が最も有効だという事実のみ。2021/06/05

CTC

2
北方領土問題の専門家と云ってよい東郷和彦氏は、「四島一括神話」を一度解きほぐして考えねばと著作で述べている。桑講和条約時に日本政府は千島列島を放棄していて、吉田全権は演説で歯舞色丹を「北海道の一部」と表現したが、択捉国後はそうは言えなかった。当時の条約局長は「千島の範囲に両島を含む」と国会答弁している。神話に囚われる本書ではあるが、ソ連侵攻後、独断で国後から登記簿を持ち帰った浜清氏や、領土内の私有地登記の有効性を争った舛潟氏などにスポットをあてる本書は、むしろ北方領土を知る上では必読と云ってもよい。2014/05/14

もっぴー

1
筆者自身の北方領土上陸記から始まり、戦後の北方領土返還を巡る日本の民間人の活動を中心に国家の外交変遷も加えて書いている。本書で紹介されたような民間人の積極的な活動の一方で、最近の国民世論は北方領土を忘れたかのようであり、それに対する対策を最後に言っている。保守的な上坂冬子らしい本。2014/12/12

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