出版社内容情報
清朝の王女として生れ、日中戦争で東洋のマタ・ハリとして処刑された女性の素顔を現存する兄妹の証言と新資料で戦後初めて明かすす
内容説明
清朝の王女として生れながら大陸浪人の養女となり日中15年戦争中には軍服を着て大陸と日本とを往復し「東洋のマタ・ハリ」とも謳われた川島芳子。日本の敗戦で売国奴として銃殺刑に処せらた彼女は如何なる人物で実際にどんな行動をしたのか。兄妹の証言や新資料をもとにその素顔を戦後はじめて明らかにする。
目次
序章 いま、なぜ川島芳子なのか
第1章 出生から断髪まで(川島芳子の父・粛親王;養父・川島浪速;清王朝の滅亡;豊島師範附属小学校時代;松本高女時代の芳子)
第2章 東洋のマタ・ハリ伝説(張作霖爆殺事件;山家亨と田中隆吉;皇后婉容の天津脱出;上海事変での役割;安国軍司令と熱河作戦;中華料理店東興楼の女主人;軍ももてあます存在)
第3章 日本の敗戦、そして銃殺(逮捕された川島芳子;裁判と死刑判決;秘書小方八郎への手紙;却下された再審請求;北平第一監獄での処刑;遺体引取り前後の状況;家あれども帰りえず)
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四井志郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
101
川島浪速の養女として川島芳子を名乗る第十四王女金壁輝。川島波速と清王朝の崩壊についても記載。当時の中国と日本との関係を、直接の関係者の視点を知ることができる。笹川良一との関係など参考文献にあたるだけでなく、多くの関係者からの聞き取りを丹念にしている。聞き取り内容も一面的にならないように別の視点が聞けた場合は丁寧に記載している。人物については伝聞であるので、複数の記述を読んで比較するとよい。「男装の麗人」が小説であるとすれば、本書は伝記。日本に関係者が住んでいたことを知った。著者は元トヨタ自動車工業勤務。2013/11/02
i-miya
64
2014.02.16(01/24)(つづき)上坂冬子著。 02/16 (P014) S57.03.25、北京日報記事、「1948.03.25、0640、漢奸金璧輝は、銃殺刑。金は、清朝親王善耆の第十四王女として、東京に生まれた。三歳、清王朝顧問川島浪速の養女、川島芳子の名。金はその養父母が、日本皇室と姻戚関係があり(=事実無根と上坂)、日本の軍政界要人と交際、外力借り、清王朝腹辟の夢実現、企んだ。日本、九一八後、彼女を中国に帰し、スパイ活動に従事させた。 2014/02/16
i-miya
59
2014.01.03(12/24)(つづき)上坂冬子著。 01/03 (p012) S08、村松梢風『男装の麗人』。 S09.03、舞台化、東京宝塚劇場、水谷八重子主演。 その本、村松のあとがき、「東洋のジャンヌ・ダルク」として激賞されていた。 「東洋のマタ・ハリ」へと滑り落ちる。 (写真)松本の川島邸宅前で、左より簾子、浪速、芳子、芳子の秘書鶴子。 (写真)頭山満邸にて。 (写真)河本大作を訪ねたとき。 2014/01/03
k5
53
山奥の男子校の文化祭で演劇をやった仲間と、いまだに同窓会が毎年続いているけれど、その時に私がやった役が、恥ずかしながら川島芳子の役でした。まあ、女役は無理のある見た目なので「川島芳男」というすごい名前だったわけですが。。。先日、人生初の上海を経験しまして、懐かしくなって当時の参考図書を再読。資料の問題か、エピソードが割とバラけていてそこそこ読みづらいですが、昔のロマンを紡げました。2023/11/12
i-miya
52
2013.11.24(11/24)(再読)上坂冬子著。 11/24 (カバー) 清朝の王女として生まれながら、大陸牢人の養女となり、日中15年戦争中は、軍服を着て大陸と日本との間を往復、「東洋のマタ・ハリ」とも謳われた川島芳子。 日本の敗戦で売国奴として銃殺。 彼女はいかなる人物で、実際の行動は? (上坂冬子) S05、東京生まれ。 名古屋文化学園卒。 トヨタ自動車工業13年間勤務、独立、初期は婦人問題の評論、昨今は昭和史、戦後史を。 2013/11/24
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